呉昇桓に最高級「お・も・て・な・し」
新守護神に心を込めた、お・も・て・な・し。阪神が、来季守護神候補として獲得を目指している韓国・サムスンの呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)に対し、大阪市内の住居提供や、専属通訳などのVIP待遇を用意していることが21日、分かった。来季Vへの鍵を握る右腕へ、最大級の環境を整え、パフォーマンス向上の一助とする考えだ。
私たちは呉昇桓さんを、特別なおもてなしでお迎え致します‐。
まず、右腕が野球に集中するための住環境を整える。球団関係者は「大阪の街を気に入っていると聞いている。プライベートでも、何度か来たことがあるようだ」という情報を得た。
外国人選手は、神戸市内の高級マンションに住むのが通例。だが「住む場所は(本人に)決めてもらえばいい」(同関係者)と、呉昇桓本人が希望すれば、大阪市内に住居を探し、提供する考えがあることを明かした。
大阪市内には韓国料理店や、故郷の食材が手に入る物産店も多くある。外国人選手が、新たな環境でのストレスにより、その力が発揮できない例は少なくない。まずは、生活面からそのストレスを取り除こうという配慮だ。
加えて無事に獲得が成功すれば、球団にとっては初めての韓国人助っ人。そのため、新たに韓国語の専属通訳をつけ、チームメート、首脳陣とのコミュニケーションを円滑にすることも検討している。
呉昇桓との交渉に関して、南球団社長は「進展はない。大詰めには来ている」と説明。本人に対しては、複数年を含む大型契約を用意。保有権を持つサムスン球団側との交渉については、20日に日本野球機構(NPB)を通じ、韓国野球委員会(KBO)へ身分照会を要請するなど、準備を進めてきた。
台湾でのアジアシリーズを終えてサムスンの球団関係者らが21日に帰国したことから、22日にも獲得交渉が本格化するとみられる。今月中の合意を目指し、まさに正念場だ。
だが大事なのは、金銭面などによる条件提示だけではない。さまざまな配慮を各所に施し、最大のパフォーマンスを引き出す。そこに、来季の9年ぶりVへ欠かせない戦力として、呉昇桓獲得の本気度がうかがえる。
最後の決め手は「おもてなし」の精神。阪神球団、いやいや大阪の街全体が、最速157キロを誇る、韓国ナンバーワン守護神がタテジマに袖を通す日を、心待ちにしている。
