榎田8回1失点も…ツキなし5敗目
「交流戦、阪神0‐2楽天」(29日、甲子園)
左腕の背中に1点が重くのしかかった。阪神先発の榎田が今季最長タイの8回を投げて、6安打1失点。粘投も報われず、今季5敗目を喫した。
悔やまれるのは六回だ。簡単に2死を奪ったが、クリーンアップにつかまった。3番の聖沢に中前へはじき返されると、警戒していたジョーンズには死球を与え、一、二塁に。続くマギーには左前へ、痛恨の適時打を浴び先制点を献上した。
「0‐0できて、先に点を取られたのが、いけなかったです」
失点はこの1点だけ。指揮官は「ボールが先行することが多かったけど、1点だけだからな。悪いなりにゲームをつくってくれた」と最少失点でしのいだ左腕をかばった。今季、初バッテリーを組んだ藤井彰も「ナイスピッチングでしょう。粘り強く投げてくれました」と称えた。
ひと月以上、白星から見放されている。最後に勝利投手になったのは、4月18日の巨人戦(東京ドーム)までさかのぼる。この試合では投球フォームを一度、リセット。「体の状態に合わせて変えました」。従来のノーワインドアップからセットポジションに、プレートの位置も三塁側から一塁側に戻した。
「自分の中でラストチャンスぐらいの気持ちです。次の登板があれば、生かしていきたいです」。悲壮感すら漂う言葉で、榎田は次回登板への覚悟を示した。