「交流戦、阪神７‐１日本ハム」（２６日、甲子園）

　大谷の前で打球が弾んだ。５月絶好調の阪神・新井が初回一挙６点の猛攻に加担した。マートンの先制打に続けと、１死一、三塁から狙い澄ました右打ちで、武田勝のスライダーを右翼へはじき返した。逆方向を意識したのかと問われ「センター中心の打撃を徹底できたことが良かった」と満足げに答えた。

　この適時打でプロ通算９９９打点。節目の大台にリーチをかけると、快音を続けた。二回は得点圏で右飛に倒れたが、鳥谷の適時打でダメを押した四回に左前打で好機を拡大するなど、４打数２安打。打率を・３２０まで上昇させた。

　これで５月は７３打数２９安打、６本塁打、２１打点。月間打率・３９７は中日・ルナ（・４２１）に次ぐリーグ２位のハイアベレージ。ミスター・メイと呼ぶにふさわしい量産ぶりだ。さらに藤浪登板日に限れば、２２打数９安打、２本塁打、７打点（打率・４０９）。初回の援護射撃で大谷との黄金新人対決を盛り上げ、「それは良かったんじゃないかな」と、白い歯をこぼした。

　阪神ＯＢで１０００打点達成者は過去に藤村富美男、山内一弘、田淵幸一、掛布雅之、金本知憲の５選手。新井はこの名前を聞かされ「すごい記録なんですね」と、人ごとのように驚いた。「野球は点取りゲームだから」。自身が最もこだわってきた数字で、猛虎史を刻んだスターと肩を並べる。