白鵬猫だましから一転横綱相撲

 「大相撲九州場所・11日目」(18日、福岡国際センター)

 ただ一人全勝で単独トップの横綱白鵬は、大関稀勢の里をはたき込みで破って11連勝。36回目の優勝へ着実に前進した。1敗で追う横綱日馬富士も、関脇栃煌山を押し出しで下してぴったり追走。稀勢の里と平幕の高安が敗れたため、2敗は松鳳山だけとなった。また、軍配差し違えで3日間の出場停止となっていた立行司・式守伊之助がこの日から復帰した。

 役者が違った。白鵬は立ち合いで左張り差しにいったあと、稀勢の里のいなしに左足が大きく流れてバランスを崩す場面もあったが、しっかり足を送って立て直した。左手で相手の体を押さえて、右で小さく張ってから頭を押さえつけてはたき込み。素早い攻めに翻弄(ほんろう)された稀勢の里は土俵に転がるしかなかった。

 10日目の栃煌山戦で奇襲戦法の猫だましを連発した。「横綱がやる手じゃない。前代未聞」と苦言を呈した北の湖理事長(元横綱)は、この日も「横綱は正々堂々と受けないといけない。番付が上の者がやるものではない」と改めて猛省を促した。しかし、そんな周囲の厳しい意見に対してはノーコメント。目の前の相撲だけに集中する姿勢を貫いた。

 2年前の13年九州場所14日目、館内から起こった“稀勢の里コール”の中で、右上手投げに不覚を取り全勝をストップされた。そんな因縁の相手を迎えても「いつもより気合が入ってなかったね。今は土俵に上がる喜びがありますから。楽しんでいますよ」と、さらりとかわした。

 猫だましには不快感を示した北の湖理事長も「これで80%は白鵬の流れになった。13、14日目にはだいたい見えてくるだろう」と優勝争いを予想。12日目の琴奨菊戦に勝てば9年連続の年間最多勝も確定する。もはやVロードをさえぎるものは何もない。

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