日馬富士、裾取り!綱の意地見せ薄氷星

 「大相撲九州場所・3日目」(10日、福岡国際センター)

 横綱日馬富士は、物言いがついた結びの一一番を行司差し違えによって勝利を拾い、連敗を免れた。土俵際で碧山の突き落としに対し、裾(すそ)取りで薄氷の白星を得た。立行司・式守伊之助は秋場所10日目の鶴竜-妙義龍戦に続いて2場所連続の差し違えとなり、打ち出し後、北の湖理事長に口頭で進退伺をした。同理事長からは慰留を受けた。上位は、横綱白鵬と大関琴奨菊が3連勝。

 序盤で連敗なら休場ピンチに追い込まれる一番を日馬富士がヒヤヒヤで拾った。192キロの巨漢を追い込みながら、いなされて突き落とされた。軍配は碧山に上がったが物言いがつき、協議の末、横綱に勝ちは覆った。

 相手の右かかとが先に出ていたことは「見えていた」と日馬富士は言うものの、碧山は支度部屋でぶ然。受理はされなかったが、立行司の式守伊之助は2場所連続の差し違えに進退伺をした。

 それほど、取り直しとなってもおかしくない微妙な取組だった。決まり手のすそとりは自身、13年九州場所の豊ノ島戦以来。師匠で審判長の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「最後まで諦めないで手を伸ばしていた。気迫だ。これを持続していくしかない」と故障している右肘痛に耐えた弟子に目を細めた。

 5月に遊離軟骨除去の手術を受けた右肘は「まだ伸びない」と全快には遠い。7月の名古屋場所2日目から休場し、先場所は全休。復帰場所で再び休場となれば進退問題にすら直面する。

 「まだ右で突き押して前に出る相撲が取れないから、守りに入ってしまう」ともどかしい気持ちを吐露。それでも崖っぷちで黒星先行を阻止したのは大きい。「体は反応して動いている。自分の相撲を取り切りたい気持ちでいっぱい」ときっぱり。横綱の意地の見せどころだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(相撲)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス