佐々木監督、笑顔で退任 125戦80勝!

 「サッカー女子・リオデジャネイロ五輪アジア最終予選、日本1-0北朝鮮」(9日、キンチョウスタジアム)

 リオデジャネイロ五輪本大会の出場権を逃した「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督(57)が9日、退任の意向を表明した。北朝鮮戦後の記者会見で「結果が出ていないなら、責任を取らないといけない思いはある」と話した。07年12月の監督就任から8年余り指揮を執り、11年女子W杯ドイツ大会優勝や12年ロンドン五輪銀メダルなど、数々の栄光をもたらした希代の名将がチームを去り、なでしこの一時代が幕を閉じた。

 晴れやかな笑顔で、なでしこに別れを告げた。佐々木監督は「リオに向けての失敗は許されることではない。結果が出ていないなら責任を取らなければいけない思いはある」と退任を表明した。

 日本女子サッカーの歴史を塗り替えてきた。初陣となった08年東アジア選手権(中国)で初の国際タイトルを獲得すると、11年女子W杯ドイツ大会で初優勝に輝き、東日本大震災で傷付いた日本に勇気と希望を与えた。12年ロンドン五輪では銀メダル、連覇を狙った15年W杯カナダ大会でも準優勝に導いた。

 最も印象に残る試合には初めて指揮を執った08年東アジア選手権初戦と、この日の最終戦を挙げた。相手はいずれも北朝鮮。不思議な巡り合わせに「今後のサッカー人生に生かせれば」と振り返った。

 今後については「(就職先は)募集中です」と笑わせたが、「離れたとしてもすごく気になることは間違いない。女子サッカーの未来を陰ながら応援したい」と、なでしこへの愛着も語った。

 序盤で歯車が狂い「波に乗れなかった」と悔やみ、「五輪に出場すれば“ノリオ・マジック”で金メダルに挑戦したかった」と冗談を交えて未練ものぞかせた。

 「彼女たちとサッカーができて楽しかった。なでしことの触れ合いは僕のサッカー人生の大きな宝物」と言葉を送った。通算125試合目を白星で飾った。80の勝利(PK勝ちは引き分け扱い)に彩られた数々の栄光は、決して色あせることはない。

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