澤、最後のW杯「一瞬一瞬を楽しむ」

 「カナダ女子W杯・決勝、日本-米国」(5日、バンクーバー)

 日本代表「なでしこジャパン」は連覇を懸け、5日午後4時(日本時間6日午前8時)から行われる決勝で米国と対戦する。「最後のW杯」となるMF澤穂希(36)=INAC神戸=は「悔いなく一瞬一瞬を楽しむ」と自らの集大成とすることを誓った。チームは4日、練習と記者会見を行い、佐々木則夫監督(57)は連覇へ自信を示した。

 最後のW杯ゲームに臨む心境を聞かれた澤は、すっきりした表情でこう語った。

 「いい準備ができて心も体も整いました。このメンバーでやるのは明日が最後。悔いなく全力でやる。出場のチャンスがあれば一瞬一瞬を楽しみたい」

 16歳の時、当時まだ「女子世界選手権」と呼ばれた1995年スウェーデン大会1次リーグ初戦のドイツ戦でW杯デビューを果たした。以来、男女通じて史上最多となるW杯6大会連続で出場。今大会のオーストラリア戦まで23戦8ゴールを記録した。

 なかでも主将として、日本を初優勝へ導き、得点王と大会最優秀選手に輝いた4年前のドイツ大会の活躍は、世界中のファンや選手の記憶に残っている。その年、FIFA(国際サッカー連盟)年間最優秀選手を受賞し、サッカー選手として、世界の頂点に立った。

 だがスーパースターも年齢を重ねる。今年、36歳になり90分間ピッチを走り回るプレーは難しくなってきた。代表引退も頭をよぎったが、主将の宮間に懇願され、「試合に出ようが控えだろうが、チームが勝つために自分ができることを一生懸命やる」と決断。5月、佐々木監督の要請を受け入れ、1年ぶりに代表へ復帰した。

 1次リーグのスイス戦とエクアドル戦で先発したが、決勝トーナメントはベンチスタートが続く。それでも澤に迷いはない。「4年前、山郷(のぞみ)さんがチームを全力でサポートしてくれた。サブの選手、出ている選手に対しても。今回は自分がそういう位置でやれれば」と、自らの役割を口にした。

 今大会、決勝トーナメントに進んでから、なでしこジャパンの雰囲気は途端に良くなった。澤を筆頭に近賀や福元らベテラン勢が、チームの盛り上げ役に徹しているからだ。連覇まであと1勝。4年前の決勝のように、劇的ゴールは決められないかもしれないが、集大成を誓う澤は最後まで力を尽くす。

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