カズ「あっぱれ」弾 僕は辞めま点!

 「J2、横浜FC2-2長崎」(19日、ニッパツ)

 横浜FCの元日本代表FW三浦知良(48)が長崎戦に先発し、前半12分にFKからの折り返しを頭で合わせて先制点を挙げた。5日の磐田戦に続いて今季2得点目で、自身が持つJリーグの最年長ゴール記録を48歳1カ月24日に更新した。今月12日に野球評論家の張本勲氏(74)からテレビ番組を通じて「お辞めなさい」と引退勧告を受けたが、その答えをきっちりとプレーで示す、まさに“あっぱれなゴール”だった。

 プロ30年目だからこその渋い輝きが、一瞬のゴールに詰まっていた。前半12分、右サイドからのFK。MF佐藤の高弾道のキックが頭上を通過する瞬間をカズは狙っていた。「どうしてもDFはボールを追ってしまう動きをするところがある。僕についていたDFもそうだったので。うまく後ろを取れたね」。FW大久保の折り返しをヘディングで合わせて会心の先制弾。勢いそのままに、カズダンスを舞った。

 野球評論家の張本氏の「お辞めなさい」発言が刺激になっていたという。「厳しいことを言ってくれる人がいるのは選手として幸せ。プレッシャーがなくなったら、現状に甘えてしまうこともあるかもしれない」。意地を見せる形となり「FWとしてゴールという結果が出たことは良かったのではないかな」と話したが、「本当はチームが勝つことが一番の結果。2ポイントを失って悔しい」と満足はしていない。

 48歳になり「肉体の衰えは自分で口にするべきではないけど、自覚しながらやっている。スピードでは勝てない。だから考える速度や、エリア内の駆け引きで勝負をしている」。カズより速く走る選手、高く跳ぶ選手はたくさんいる。カズもそれを知っている。だからこそ「自分の経験を生かしながら、仲間の力も借りないといけない」。誰よりも熟知する点の取り方が、今のカズが誇る武器だ。

 前日のJ1ではFW武藤、宇佐美といった若手だけでなく、32歳の川崎FW大久保もゴールを決めた。「ドイツでは香川、岡崎も決めていた。自分も決めたい、追いつきたい。ずっとそう思いながらやっている」。徹底的なプロ意識を持つからこそ、勝利に結びつかないことが悔しくて仕方がない。「(カズダンスも)勝ってないので、勝つまで封印しようかな」。勝利につながるゴールを求める姿勢は、今も昔もずっと変わっていない。

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