日本、ブラジルに完敗 脅かす場面なし
「コンフェデレーションズ杯・1次L、ブラジル3-0日本」(15日、ブラジリア)
開幕戦がブラジリアで行われ、日本は開催国ブラジルに0‐3で完敗した。前半3分にFWネイマールにボレーシュートをたたきき込まれると、後半3分と同ロスタイムにも失点。世界一を目標にしてきたDF長友佑都(26)は「W杯優勝なんて笑われる」と落胆した。また、W杯本大会へ向けたアルベルト・ザッケローニ監督(60)の手腕に疑問が残った。ブラジルを脅かす場面がなく、選手交代なども後手に回る印象をぬぐえなかった。
自虐的になるしかなかった。世界一になると公言し続けてきた長友は「W杯で優勝すると言ってきましたけど、腹を抱えて笑われる。それぐらいのゲーム。中学生とプロの差がある」と吐き捨てた。試合開始から、王国に何もさせてもらえないまま時間だけが過ぎた。
最初が大事だと分かっていたのに、想像の上をいかれた。前半3分、日本の右サイドから上がったクロスを、ブラジルの1トップ・フレジが胸で落とす。その先にはエース・ネイマールがいた。ボレーシュートが日本ゴールの左隅に吸い込まれていく。フレジについていた長友は一部始終を見送るだけだった。
昨年10月の前回対戦は、0‐4ながらも前半12分に先制されるまでは攻め込んだ。それに比べて、今回は見せ場が少なかった。長友は左膝の負傷を乗り越える中、関係者に「試合勘が戻ってきていない」と弱音を漏らすこともあったが、コンフェデ杯出場にこぎつけた。その出はなをくじかれ、「何も変わっていない。むしろ(差が)広がっている。これが本当の世界のトップなのだ」と現実を思い知らされた。
香川も同じ思いでいた。「これぐらいの差があると思うと、悔しいというより残念。自分に腹立たしい気持ち」と反省ばかりが口をついた。左MFでフル出場したが、シュートは0本。「消極的になった。W杯初戦で負けることもある。次へ切り替えないと」と自分に言い聞かせた。
W杯の目標を現実的な1次リーグ突破や、8強に切り替えないのかと問われた長友は「目標をグループ(1次)ステージ突破にすると、それで満足してしまう。この結果で言うのは恥ずかしいけど、僕はトップを目指します」と返した。今のままでは「W杯優勝」は夢のまた夢。“ブラジリアの屈辱”を機に足元を見つめ直す。
