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本田先制「4番」1号!ザック日本完勝

 前半、先制ゴールを決め、チームメートと抱き合う本田(左)=撮影・出月俊成
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 前半、先制ゴールを決め、チームメートと抱き合う本田(左)=撮影・出月俊成

 「W杯アジア最終予選、日本3-0オマーン」(3日、埼玉)

 各地で開幕し、B組の日本はオマーンに3‐0と快勝し、5大会連続のW杯出場へ絶好のスタートを切った。前半11分、MF本田圭佑(25)=CSKAモスクワ=が左足ボレーで、背番号を「4」に変更してから初得点となる先制ゴール。後半6分にはFW前田遼一(30)=磐田、同9分にはFW岡崎慎司(26)=シュツットガルト=のゴールで着実に追加点を奪った。次は8日にヨルダン(埼玉ス)と戦う。

 先制点を見届けると、思わず右胸の「4」という数字を誇らしげに強調した。前半11分、MF本田はDF長友からのクロスを左足でボレー。「(強調は)特にはしてないですよ」とおどけたが、背番号変更後初のゴールに「大きかったですね。チームとしても自分としても」と声を弾ませた。

 5月23日の親善試合・アゼルバイジャン戦直前、背番号をそれまでの「18」から変更した。右ひざ半月板損傷を克服。287日ぶりに代表の空気を味わったが、頭にあったのは“復帰”ではなく“進化”。背番号変更は、その2文字の象徴だった。

 “新生・本田”の活躍で、ブラジルへの切符もぐっと近付いた。「3‐0という数字だけ見れば上出来」と話す一方で、1つの勝利に満足することはない。「性格上、勝てればOKという人間じゃない。オマーンと次当たったとき、日本とはやりたくないと思わせるようにコテンパンにできれば良かった」。一時の歓喜に溺れず、進化の道筋を常に探っている。

 やむことのない向上心は、言葉からも読み取れる。チーム全体へ提起したメンタル論。どんな形でも勝利することの大切さ。合宿中はいつになく雄弁で、“本田哲学”を続々と披露した。試合に集中するため、2日前からは完全に口を閉ざしたが、精神面でも司令塔となった。

 08年のW杯最終予選初戦・バーレーン戦。そこに本田の姿はなかった。だが、4年という年月は、一人の選手を成長させるには十分すぎる時間だった。初めて初戦から参加する最終予選。「緊張は割とありました」と、珍しい一面も見せた。

 南アW杯本大会が終わってから、長友と“将来の日本代表像”について語り合うようになった。今では、日の丸を背負うのは自分だという矜持(きょうじ)がある。金狼の成長とともにつむがれる歴史は、まだまだ終わらない。

(2012年6月4日)
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