王者バルデスが意地の防衛 体重超過の挑戦者にあご割られるも判定勝ち
「ボクシング・WBO世界フェザー級タイトルマッチ」(10日、カーソン)
WBO世界フェザー級タイトルマッチが10日(日本時間11日)、米・カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで開催され、王者のオスカル・バルデス(27)=メキシコ=が3-0の判定で、計量失格の挑戦者スコット・クイッグ(29)=英国=を下し、4度目の防衛に成功した。
問題は9日に行われた公式計量で発生した。126ポンド(57・1キロ)のフェザー級リミットに対し、バルデスは125・8ポンドで一発クリア。しかし同級10位で元WBA世界スーパーバンタム級王者でもあるクイッグが2・8ポンド(1・3キロ)オーバーの128・8ポンドで失格となった。カリフォルニア州コミッションは、クイッグのファイトマネー10万ドルから20%をカット。そのうち1万ドルは王者のファイトマネーに上乗せし、クイッグが勝った場合は王座が空位になる変則形式で試合の決行を許可した。米国ESPNによると、試合当日のクイッグの体重は142・2ポンド(64・5キロ)まで増量されていたという。
屋外会場で雨の中行われた試合では序盤、手数で優位に立ったバルデスだが、5回にクイッグの体重を乗せた右フックを受け、動きが止まる。口から流血がある中でも、最後まで気持ちを切らさなかったバルデスは、それでも手数で上回り、フルラウンドを戦い抜いた。スコアは117-111×2、118-110。
体重超過の挑戦者と真っ向打撃戦を演じた王者は無傷のレコードを24戦全勝(19KO)と伸ばしたが、試合後にあごの骨折が判明している。計量失格の上に敗れたクイッグは38戦34勝(25KO)2敗2分け。