これが辰吉の血や!寿以輝、左ボディーでKO 腕回しパフォーマンスも披露

 「ボクシング・6回戦」(9日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(46)の次男・寿以輝(19)=大阪帝拳=が初の6回戦に臨み、3度のダウンを奪ってリオ・ナインゴラン(21)=インドネシア=を3回2分11秒TKOで下した。昨年4月にデビューして以来、戦績を5戦5勝(3KO)とした。父譲りの右腕をグルグル回すパフォーマンスも見せ、初のメインにカリスマのDNAが爆発した。

 これが辰吉の血だ。3回、寿以輝が左ボディーで相手をリングにぶっ倒した。コーナーに行くと「フォー!!」と絶叫。そして右腕をグルグル回した。

 “浪速のジョー”が得意としたパフォーマンスが、息子の腕でよみがえった。会場はまさに熱狂の渦。「寿以輝」コールの中、立ち上がった相手に襲いかかると、怒とうのボディー連打で再びダウンを奪った。トドメは、これまた父の代名詞とも言える左ボディー一発。豪快に打ち込み戦意を断ち切った。

 「試合前から(腕回しを)やるのは決めていた」。父の映像は何度も見て頭に焼き付けているが「あれは元々は(モハメド)アリなんでね」と、うそぶき、笑わせた。

 前2戦は判定勝利で悔し泣きした。3戦ぶりのKO勝ちで5連勝。「ボディーで倒したかった。1回20秒でKO予定だったから悔しい。45点」と笑った。

 3月の前戦後、実家を出た。16歳で岡山から大阪に出て、拳一つで夢をつかんだ父からは「いつまで親元におる?精神的に甘い!!」と心構えを説かれてきた。「ボクサーで飯を食う」。偉大な父を追うため“独り立ち”した。

 逆風も乗り越えた。今戦は幼少期より行動をともにした兄貴分、中沢奨、池水達也がジムを離れた。「さみしい」気持ちがあふれる中、中沢の母が計量後のスープを差し入れてくれたのが心に染みた。

 初のメイン、初の6回戦、初の外国人と“初モノ尽くし”を拳で突破。父と同じ“大阪帝拳の看板”への一歩を踏み出した。試合後、ダメ出し連発の父を「話が長い。俺は切り替えが早い。気持ちはもう次」とバッサリ“KO”した。

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