柴田TKO防衛 視線は世界へ

 「東洋太平洋・日本ミドル級タイトルマッチ」(8日、後楽園ホール)

 王者・柴田明雄(ワタナベ)が8回TKOで東洋太平洋同級7位、日本同級1位の秋山泰幸(ヨネクラ)を下し、東洋太平洋王座4度目、日本王座3度目の防衛に成功した。

 慎重な構えの秋山に対し、軽快なフットワークを使い、序盤からワンツーを小気味よく決めた。2回には早くも秋山の目を腫れ上がらせ、6回には腫れた左目の下を切り裂いたた。そして8回、完全にまぶたをふさいだところでレフェリーが試合を止めた。

 一方的な快勝にも柴田は「もうちょっとやりようがあった。倒せなかったのは残念。(秋山は)パンチ力があったので警戒してしまった。もっと手数を出せばよかった」と反省を口にした。

 この試合は3月の「チャンピオンカーニバル」で指名されていたが、秋山の負傷で流れた仕切り直しの一戦。王者として負けるわけにはいかなかった。

 試合後の控室を訪ねてきた日本ミドル級7位の前原太尊康輝(六島)から「ぜひやらせてください」と挑戦状をたたきつけられた。苦笑いでOKした柴田だが本音は別にある。

 「挑戦を受ける立場でなく、挑戦できる立場になれるよう頑張る。チャンスを待ちたい」と世界を見据えていた。

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