市役所職員ボクサー新座 市長が後押し

 公務員でありながらプロボクサーという2つの顔を持つ男たちがいる。公務に真剣に取り組みながら、ボクシングにも中途半端ではいられない。公務員は副業を禁じられている立場だが、激しい情熱で上司を動かし、許可を得たことで二足のわらじが履けた。リングに立とうとしている熱い男たちの素顔をご覧あれ。

 市長さんが背中を押してくれた。信じられない展開で、埼玉・新座市役所の市民安全課に勤務する渡辺宏(33)が、7日に後楽園ホールで10年ぶり2度目のデビューを果たす。

 昨年7月、人事異動で須田健司市長と面談した際「まだボクシングは続けているのか?プロでやるならやってみろ!!」と言われ、9月に再テストに合格。リングでは新座市をアピールする役目も担い「新座宏」のリングネーム、トランクスには市のマスコット「ゾウキリン」の刺しゅうを入れる。

 6年前、入庁したてのある日、須田市長に「プロでやりたい」と直訴したが「仕事に慣れていないだろう」と却下された。今回のゴーサインに「よく覚えていてくださった」と感謝する。

 10年前のデビュー戦は芝浦工大大学院時代、2回KO勝ちしたが「返しの右が当たっただけ」と喜びの薄い勝利だった。2戦目のリングに上がることなく就職とともにライセンスを返上した。その後、趣味で続けたが、プロ再挑戦の思いは静かにくすぶっていた。

 「ボクシングは僕の生きがい。市の役に立てるのならありがたい。仕事最優先なので、市のPRができなければリングに上がる意味がない」と、健闘を誓っている。

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