中部のSKB 狙う日本の“センター”
「WBO世界ミニマム級王座決定戦」(30日、パークアリーナ小牧)
“尾張の怪物”田中恒成(19)=畑中=が日本選手最速のプロ5戦目で世界王座を獲得した。強打のフリアン・イエドラス(27)=メキシコ=に判定3-0で圧勝。井上尚弥の6戦目を塗り替え、世界でも4位のスピード記録を達成した。
新スター誕生は地元を挙げての強化策のたまものだ。中部地方出身の畑中清詞会長、飯田覚士氏、星野敬太郎氏の元世界王者3人が同地方を中心に少年ボクサー育成のため11年に発足させたのがSKB(SOUL KID’S BOXING)。田中は、その1期生だ。
ジムや学校の垣根を越え定期的に合宿を行い、高度な技術、練習法を伝授。特に飯田氏は現役時代から行い、プロ野球の巨人も取り入れる「ビジョントレーニング」を持ち込み、田中を仕込んだ。
左右に目を激しく動かしながら平均台の上を歩くなどし、広い視野と動体視力を磨いた。「パンチの角度が瞬時に分かる。パンチが止まって見えている」。飯田氏は“打撃の神様”川上哲治氏の域に田中が達したことを実感した。中部は人気アイドル、SKEだけじゃない。SKBが日本の“センター”を狙う。
