寿以輝、メーン山中に「KOでつなぐ」
「ボクシング4回戦」(16日、大阪府立体育会館)
WBC世界バンタム級タイトルマッチの調印式、ルール会議と公式会見が14日、大阪市内で行われ、元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(44)の次男で4回戦デビューする寿以輝(18)=大阪帝拳=が異例の同席を果たした。壇上に並んだ世界王者・山中慎介(32)=帝拳=のエールに対して「必ずKOでつなぐ」と応えた。
選ばれし者だけが上がる世界戦の公式会見に寿以輝が並んだ。デビュー戦の選手としては、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(帝拳)級の破格待遇。王者・山中の後方で金髪パーマのカリスマJr.に熱視線は注がれた。
緊張し声も上ずっていた18歳。山中の“ナイスパス”が届いたのは会見の終盤だった。
「辰吉さんはあこがれの存在。そのWBCのベルトを自分は持っている。その前座で息子が出るのは縁。しっかり勝ってもらって、さっと帰らずに自分の試合を見てほしい。勢いを付けて会場を盛り上げてほしい」
最高のエールに寿以輝は目を輝かせた。「めちゃめちゃうれしいです。必ず勝ってKOでつなげます」と堂々と宣言。「今までで一番緊張した」と言いながら、決めるところは決めるのが“浪速のジョー”譲りだった。
壇上には父が3度獲得したWBC世界バンタム級ベルトが光る。自宅で見慣れたベルトながら「ピカピカでした。家にあるのはピカピカじゃないので」と興奮を抑えられなかった。「WBCしか僕は知らない」と晴れの舞台で父子世界王者への思いを一層強くした。
