44歳池山、国内最年長で世界王者奪取
「WBO世界女子アトム級王座決定戦」(17日、アゼリア大正ホール)
WBO世界女子アトム級王座決定戦は、44歳の池山直(フュチュール)がジョゼベル・パガデュアン(29)=フィリピン=に3‐0で判定勝ちし、男女を通じて国内最年長の世界王座獲得となった。WBC世界女子ミニフライ級王座戦は、挑戦者の同級4位黒木優子(23)=YuKO=が王者・安藤麻里(26)=フュチュール=を3‐0の判定で下し、初の世界王者に就いた。
池山の闘志は燃えまくった。「パンチは見えた」と2回から全開。前へと足を止めず、左右の連打でロープに詰めた。15歳下の相手をスタミナで圧倒し、最終10回まで攻め続けた。「詰め切れなかった」と反省はしたが、判定3‐0。3人とも6~8ポイント差をつける完勝だった。
44歳7カ月での世界王座奪取は藤岡奈穂子の38歳2カ月を超え、男女を含めて国内最年長。高齢を理由に「負ければ引退」は不可避だった。リング上で「ボクシングを続けるには、このベルトを守り続けるしかない」と声を張り上げた。
31歳のときに健康維持のため競技を始め、のめり込んだ。39歳で世界初挑戦に失敗。41歳のとき、「家庭の事情」で3年間、引退状態だった。「このままなら後悔する」と昨年12月に復帰。最後のチャンスをつかんだ。
岡山市役所に勤め、月~金曜は地元で練習。土・日曜に京都の所属ジムに通う。「オフなし」で拳一つにかけてきた。9月には45歳になる“アラフィフの星”。「防衛し続ければある」。狙うはバーナード・ホプキンス(米国)の世界記録、49歳3カ月での世界王座防衛だ。
