【畑山評論】アムナトは相当うまい選手

 「IBF世界フライ級タイトルマッチ」(7日、ボディメーカーコロシアム)

 井岡一翔(25)=井岡=が王者・アムナト・ルエンロン(34)=タイ=に1‐2の判定で敗れ、日本選手としては亀田興毅(亀田)以来2人目の世界3階級制覇はならなかった。プロ15戦目で初黒星。叔父・弘樹氏(45)が果たせなかった井岡家の悲願を託されてリングに上がったが、22年越しの夢は実現しなかった。井岡陣営は王者との再戦を要望した。

  ◇  ◇

 【畑山隆則の目】まず採点に関しては色々な見方があるだろうし、ボクとしては何とも言えないですね。ただ、このアムナトというチャンピオンは相当にうまい選手。アマチュアのキャリアも豊富だしオリンピックにも出場している。これだけテクニックのあるボクサーはなかなかいないよ。

 この試合のポイントは3回に井岡選手が右アッパーをもらってしまったこと。これが終盤になって距離をつぶして入りたい時に、アッパーのイメージが残っていたために踏み込めなくなってしまった。「また、(アッパーを)もらうんじゃないか」と無意識に反応してしまうんだね。最後は相手もヒザが立っていて完全にバテているけど、井岡選手も追い切れないから決定打を与えられなかった。

 フライ級にクラスを上げた影響に関しては、この1試合だけでは判断するのはちょっと難しい。王者のスピードに比べると重たさを感じるところもあったけど、それはあくまでも相手との比較だからね。ただ、ガードが高くて手数が少なくなり、いつもより攻撃が直線的になり過ぎてしまった印象はあるかな。

 今回は負けてしまったけど井岡選手は日本ボクシング界の至宝だと思っている。クレバーな選手だし、この試合で苦しんだ経験をきっと生かしてくれるはず。3階級制覇を目指して、またチャレンジを続けて欲しい。(元WBA世界スーパーフェザー&ライト級王者)

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