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30歳ボクサー中広大悟の新たな挑戦

14日の試合に向けてサンドバッグをたたく中広
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14日の試合に向けてサンドバッグをたたく中広

 「ボクシング8回戦」(14日、広島県立総合体育館)

 元日本Sフライ級王者、現同級10位の中広大悟(30)=広島三栄=が、5月14日に古藤功徳(35)=折尾=とのノンタイトル戦を行う。復帰戦となった昨年6月のチャリティーマッチ以来、11カ月ぶりの試合。「もう一度、タイトルに挑戦したい」という30歳ボクサーの、新たな挑戦が始まる。

 広島市東区にある三栄ボクシングジム。多くの練習生に交じって、中広は軽快にジムワークをこなしていた。

 「順調ですよ。久しぶりの試合なんで、減量も楽です」。試合ができる喜びを、全身で表現しているようだった。

 昨年6月に復帰戦で判定勝ちしてから、11カ月ぶりの試合。その間、中広には数々の変化があった。

 7年間の交際を経て昨年3月に入籍した純子夫人(32)と、今年2月に結婚式を挙げた。また医療の資格の一つ、作業療法士の資格を取得するため、今年4月に専門学校に入学した。

 大きな人生の転機。「だから、なかなか試合ができませんでした。結婚式に(減量で)げっそりしているのも嫌なんで」と笑った。それでも中広はボクシングから離れることはなかったし、離れるつもりもなかった。

 日本王座防衛戦で戦いドローだった赤穂亮が、今は東洋太平洋王者。そして日本王座統一戦を戦った佐藤洋太が、今は世界王者になっている。「越えられない壁じゃない。見据える先はタイトルです。もう一回、やってみたい」と言葉に力を込めた。

 14日の古藤との試合は「東洋太平洋タイトルマッチ前哨戦」と銘打たれている。タイトル再奪取への意欲が、中広の大きなモチベーションになっているのは確かだ。

 しかしそれ以上に、ボクシングそのものに魅せられている。

 「勝った時の達成感は何物にも替えられない。負けたくないから、嫌でも練習する。ボクシングじゃないと、ここまで自分を追い込めない。今年31歳になるけど、まだまだ体は動くんで」

 家族を背負う立場になった。純子夫人からは、交際している時から「『もう(ボクシングは)やめて』と言われています」と苦笑する。それでも食事面、生活面でサポートをしてくれている夫人には、感謝しかない。

 「いろいろ支えてもらっていますからね。試合やって、無事な姿を見せたいですね」。新たなスタートを、勝利で飾る決意だ。

(2012年5月7日)
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