元阪神の山本翔也さん「横田(慎太郎さん)の分まで」会社員と“三刀流”で独立Lコーチ就任 夢は教え子のNPB入り

 横田さんの実家を訪問し、父・真之さん(前列左)、母・まなみさん(同右)と写真に納まる山本さん(後列右)と横山さん(同左)=山本さん提供
 堺シュライクスの大西監督(右)と山本投手コーチ
 阪神時代の山本さん
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 2013年度ドラフト5位で投手として阪神に入団した山本翔也さん(35)は18年に現役を引退後、アパレル会社と保険会社に勤務。今年から独立リーグのコーチに就任し、“三刀流”で汗を流している。

 「いずれは野球の指導者に、と思っていましたが、仕事をしながら野球を教えるチャンスがない中で、その機会を頂きコーチをさせて頂くことになりました」と笑顔で話し、忙しい毎日も苦にしていない様子だ。

 指導している堺シュライクスは、さわかみ関西独立リーグに所属。監督は近鉄、オリックス、横浜で活躍した大西宏明氏(43)が務めている。「昭和の野球が好きではない」という監督の方針で、練習メニューも選手に考えさせるなど自主性を重んじている。その結果、過去5年で3度の優勝を果たしている。

 6年ぶりにユニホームに袖を通した山本さん、背中を押したのは阪神に同期入団し、昨年7月に脳腫瘍で亡くなった横田慎太郎さん(享年28)だ。「横田の分までとはおこがましいですが、シュライクスの選手たちにもタイミングが来たら懸命に生きた彼の話をしたいと思います」と話した。闘病生活を送りながら志半ばで亡くなった同期。今年1月には横山雄哉さん(14年度阪神ドラフト1位)とともに横田さんの鹿児島の実家へ弔問に訪れ「ようやく手を合わせに行かせてもらいました」と仏壇に手を合わせた。

 コーチを引き受けたからには「みんなが目指しているところはプロ(NPB)なので、一人でも多くプロ野球のピッチャーになれるお手伝いをしていきたい」と息をまく。練習について「今はユーチューブだったりパーソナルジムで効率のいい練習方法、自分に合った練習方法でできる。あくまでこういう練習方法もあるよってというアドバイスに留めることをめちゃめちゃ意識しています」と言う一方、「ピッチングの組み立て、ここはこうした方がもっと良くなる」と投球術は惜しみなく伝えていく覚悟だ。選手を堺シュライクスからNPBへ、山本さんの夢は広がる。

 ◆山本 翔也(やまもと・しょうや)1988年10月12日生まれ、35歳。福井県出身。現役時代は左投げ左打ちの投手。福井工大福井から法大、王子を経て13年度ドラフト5位で阪神入団。18年10月に球団から戦力外通告を受け、同年引退。翌年から総合保険代理店に勤務。14年7月27日・広島戦(マツダ)でプロ初登板。初先発した15年7月4日・DeNA戦(横浜)で初勝利。プロ通算は22試合で1勝、防御率6.31。

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