【スポーツ】40歳ボクサー、佐々木基樹の挑戦 中年の星が大勝負誓う

 ボクシングの日本ランキング表に楽しみな名前が帰って来る。元日本・東洋太平洋スーパーライト級、元東洋太平洋ウエルター級王者で、2月に2年9カ月ぶりに復帰を果たした佐々木基樹(40)=帝拳=だ。

 8月2日、新宿フェイスで行われた日本同級9位の岡崎祐也(29)とのスーパーライト級8回戦に、一歩も譲らぬ打ち合いを制して判定勝ち。最終回は40歳とは思えぬラッシュを見せて客席を大いに沸かせた。

 40歳での復帰について、ジムは反対したという。しかし、どうしてもやりたい。まだ燃え尽きていない、という佐々木の熱意がリ・スタートを現実のものとした。それでもマネジャーの長野ハルさんは「私は今でも(復帰は)反対なんですよ」と言う。

 佐々木自身、自分の立場、そしてどういう目で見られているかは自覚している。「新聞には『必ず40歳佐々木って』書かれる。10月に41歳になるから、いっそリングネームを『41歳佐々木』にしてやろうか」と笑う。

 周囲の反対を押し切り、まして自分の思いを遂げるための闘い。どれだけのトレーニングを積んでいるかは推して知るべしだろう。佐々木は「やるからには目指すものがある。世界王座なんて言わない。だけど、日本、東洋タイトルならチャンスはあると思う」と、王座返り咲きが最大の目標。そして、今回ランキング入りを確実とし、大きな一歩を踏み出した。

 現在、日本スーパーライト級王者は岡田博喜(角海老宝石)、日本ライト級王者は荒川仁人(ワタナベ)、東洋太平洋ライト級王者は中谷正義(井岡)と実力者が名を連ねる。「残された時間はあまりないので、今年中か来年にも勝負をかけたい」と、中年の星が大勝負を誓っている。(デイリースポーツ・津舟哲也)

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