【野球】ヤクルト再生工場で坂口が輝く

 今季、リーグ2連覇を狙うヤクルトに強力な戦力が加わった。昨オフにオリックスを自由契約になり、ヤクルトに移籍した坂口智隆外野手だ。

 オリックス時代の昨季は36試合の出場にとどまり、打率・262。だが今季は、主に1番として試合に出場し3割を超える打率をマーク。俊足好打の外野手として、チームに決して欠かせない存在となっている。

 ヤクルトには、他球団を退団した選手を“再生”させてきた歴史がある。有名なのは、ダイエー(現ソフトバンク)時代に通算2勝だった田畑。1995年オフにトレードでヤクルトに移籍すると1996年に12勝し、1997年には15勝と大ブレークした。また広島を自由契約になった小早川、西武から移籍した鈴木健が、いずれも新天地のヤクルトで活躍した。

 最近では、14年途中にトレードでソフトバンクからヤクルトに移籍した山中だ。ソフトバンク時代に0勝だったサブマリンだが昨季、6勝をマークして14年ぶりのリーグ制覇に貢献した。

 伝統的に、他球団から移籍してきた選手を温かく歓迎し、迎え入れる環境がヤクルトにはある。「ファミリー的なところがありますし、溶け込みやすくて、のびのびとやれるんじゃないでしょうか」(球団関係者)。坂口が言う。「みんな優しいし、よくしてくれます。やりやすくしてくれる。感謝しないといけないと思っています」。坂口について、三木ヘッドコーチは「技術的にも、精神的にも充実しているんじゃないかな。思い切りやれている」と説明した。 球団としては昨季、固定できなかった「1番中堅」の候補として坂口に白羽の矢を立てた。2011年に最多安打を獲得した実績もあり、うってつけの存在だった。

 「もともと能力がある。パ・リーグにいて(セ・リーグの投手との)対戦が少ないのに対応できている。もっとやれると思います」と三木ヘッドコーチ。環境面が整い、本来の力を発揮。坂口が、新天地で再び輝くことになりそうだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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