U18日本代表に見た侍Jの可能性

 現在開催中の野球U18W杯が大きな話題となっている。侍ジャパンのユニホームに身を包む関東第一・オコエ瑠偉外野手、早実・清宮幸太郎内野手ら、今夏の甲子園を沸かせたスター選手が名を連ねているのだから、注目度の高さも納得だ。

 一方で、各世代の日本代表が「侍ジャパン」として統一されたことの意義を知る大会でもあった。W杯開幕前の8月26日に甲子園で行われた侍ジャパン大学代表との壮行試合は、その成果の一つだろう。高野連とNPBエンタープライズが共催で史上初の世代を超えた侍対決が実現させるという、これまでにはなかったイベントだ。

 「アマチュアの人たちは、我々以上に危機感を抱いていたと思う」とNPB関係者は話す。野球の競技人口は低年齢層での減少が続き、アマ側からも侍ジャパンの統一を望む声はあった。多くの選手が「侍ジャパン」へのあこがれを語り、代表を目指していく形が野球界で浸透することは、野球振興の面においても価値ある現象だ。

 一方でアマチュアが参加したことは、侍ジャパンのビジネス面においても大きな前進となっているという。NPB関係者は「スポンサーサイドにも、侍がアマチュアにまで範囲が広がったことは大きな魅力になっているようです」と説明した。

 侍のトップ代表は13年のWBC以降、日米野球や欧州代表戦などを開催しているが、年間での試合数は多くない。それがアマチュアの国際大会を含めれば数十試合にまで膨らむ。大幅な市場拡大は、それだけでも各企業へのアピールとなる。

 例えば侍ジャパンのスポンサーとなっている企業の中で、各代表の大会における遠征業務を請け負う旅行会社「JTB」は、国際試合が増えることでのメリットが生まれた。またU-12代表をサポートする「楽天カード」など、公共性の高いアマチュア野球を支援することでの企業のイメージアップといった効果も期待できる。

 「各世代が統一されてから、侍ジャパンのスポンサーが増えているのは事実。いろいろな魅力を感じていただいているのだと思う」(NPB関係者)。

 侍ジャパンが魅力あるものとなり、スポンサーが増え、大きな利益を見込めるならば、代表常設化の際の理念に基づき各アマチュア団体へも還元され、野球振興が推し進められることになるはずだ。

 まだ「可能性」の域は出ないが、いい循環を生み出せているのは確かだ。11月には世界野球「プレミア12」が控える。かすかな息吹を本物にできるか、大事な時期を迎えている。

(デイリースポーツ・中田康博)

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