原監督を直撃した不気味な“負の連鎖”

21日のオープン戦対日本ハム戦(東京ドーム)の9回、日本ハム・渡辺のファウルが右足に当たりベンチで悶絶する巨人・原辰徳監督(中央)=東京ドーム(撮影・開出 牧)
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 ファインダー越しに悶絶する指揮官の顔が見えた。さしもの“名監督”も人目をはばからず顔をゆがめた。

 3月21日のオープン戦、巨人対日本ハム(東京ドーム)の九回だった。日本ハムの渡辺のファウルが一塁側の巨人ベンチを襲った。三塁側のカメラ席で撮影していた私は、震撼する巨人ベンチにレンズを向けた。

 右足を手で押さえていたのは、選手でもコーチでもなく、誰あろう巨人の指揮官、原監督だった。心配そうに声をかけるコーチ陣。飛んできて監督の足をさすり始めたトレーナー。否が応でも集まるスタンドからの視線…。痛みをこらえてベンチ裏に消える姿が痛々しかった。

 予兆はあった。九回に一塁手の巨人・阿部が日本ハム・西川の痛烈な打球を右肩に当てて、必死に耐える姿があった。次打者の日本ハム・杉谷は死球を足に受け、顔をゆがめながら一塁へ。そして…。次打者の日本ハム・渡辺のファウルが原辰徳監督の右足を直撃した。当たり所が悪ければ、監督自ら戦線離脱となったかもしれない。わずか1イニングで3人の“被弾”を出す不気味な連鎖反応…。

 オープン戦で期待の大田、堂上が離脱。ローテーションの一角を担う内海が開幕絶望。痛みに耐える原監督は、チームに降りかかる負の連鎖を身をもって感じたにちがいない。しかし、幾多の危機を乗り越えてきた名監督。負の連鎖をいかに断ち切るか、その手腕の見せ所でもある。

(写真と文=デイリースポーツ・開出 牧)

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