虎ゴメス、本塁打量産態勢へのカギは…

 阪神の今季交流戦が終了。9勝15敗と失速した。そんな中でも新外国人・ゴメスは、来日1年目ながら4番として上々の成績を残している。

 ここまで全68試合で4番に座って打率・279、リーグ4位タイの12本塁打、同2位の58打点。144試合に換算すれば、現在25本塁打ペースだ。球団にとっては久々に“大台”を突破する右打者となるかもしれない。

 阪神では30本塁打を放った右打者が、長らく誕生していない。03年のアリアス(38本)を最後に“大台”を突破した右の大砲が現れていない。

 左打者では近年、07年の金本(31本)、10年のブラゼル(47本)が30本塁打以上を記録している。甲子園は右翼から左翼方向へ浜風が吹いており、有利と言われる中、右打者の本塁打数が伸びていない。

 しかし、ゴメスが11年ぶりに壁を越えるかもしれない。関川打撃コーチは「これから(本塁打数が)増えてくると思うよ」と言う。27日の中日戦(甲子園)から再開するリーグ戦を前に、本塁打増のポイントに四球を挙げた。

 「ボール球を見極めて、本塁打にできるボールをしっかり待てるか。四球が増えれば、本塁打も増えてくるとと思う。最近はケースで打撃を変えるようになっているしね」

 他球団も警戒を強めている。ある球団のスコアラーは「低めや外角から逃げる球に弱点はある。でも、高めに浮いた変化球や、腕が伸びる所は確実に仕留めている」。ヤクルト・バレンティン、DeNA・ブランコのようにボール球に手が出ているが、一振りで仕留める技術で、本塁打を増やすと見ている。

 ゴメス自身もペースアップに自信を見せた。「今の時点ではもうちょっと打ててよかったかなと思う。この先もシーズンは残っているし、この先何が起こるか分からない。1カ月で8~10本の本塁打が出る月もあるかもしれない」。

 右打者の本塁打数が優勝に直結するわけではないが、阪神の直近3度の優勝時には右の大砲がいた。85年は岡田(35本)、真弓(34本)。03年は前出のアリアス。05年は大台にはあと一歩届かなかったが、今岡が29本塁打を放っている。

 ゴメスが30本塁打に近づき、超えることができれば、阪神が優勝争いに絡む可能性は高まってくる。

(デイリースポーツ・西岡誠)

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