追い込まれたオリ・T‐岡田の決断とは
顔つきが変わった。オリックス・T‐岡田外野手(25)のシャープに絞られたあごのラインは、充実したオフを物語っていた。
2010年に33本でパ・リーグ本塁打王に輝いたが、11年は16本、12年は10本、昨年はわずか4本と下降線をたどった。今季の年俸は減額制限(年俸1億円以下は25%)いっぱいの1800万減となる5500万円。追い込まれた中で決断したのが、体質改善だ。
104キロからキャンプまでに6キロの減量を宣言。オフの間は野菜中心の食生活とトレーニングに励んだ。神戸サブではサウナスーツを着て走り込み。極寒の外気にもかかわらず、大量の汗をしたたらせる姿もあった。
沖縄・宮古島入りした1月27日。「キャンプのテーマは内緒です」と多くは語らなかったが「振り込んでくる」と自信たっぷりの表情を浮かべた。目標体重の98キロをクリアし、体のキレに手応えがある証しだ。
今オフ、オリックスは昨季4番だった李大浩内野手(31)がソフトバンクへ移籍。新たにぺーニャ外野手(32)やベタンコート内野手(31)を獲得したが、確実な4番は定まっていない。
森脇浩司監督(53)は「もともといるタレント(選手)も含め、どうしたら得点率が高くなるかを考える」と、競争をあおる構えだ。「体重2桁は08年以来」と語るT‐岡田。今こそ初心に帰り、4番とキングのW奪還をかなえる時だ。
(デイリースポーツ・中野裕美子)