G原監督「勢い止まった」の真意とは?
昨季、球団40年ぶりの日本一連覇を逃した巨人。楽天との日本シリーズでは3勝4敗で敗れた。原監督はこのオフ、同じようなセリフを繰り返した。
「ジャイアンツの勢いは止まった。勢いはとても大事。止まってからまた動き出すエネルギーというのは、さらに大きな力で動かさないとダメ」
「勢いをつけるためには去年の2倍、3倍、そのくらいのパワーがないと動けない。(今季は)ジャイアンツにとって大事な年であり、大変なパワーが必要になる年だなと思ってます」
昨季を振り返り「あと1勝で日本一という、この1勝を取ることができなかった。これに尽きます」と話した。昨季、日本一を逃したことで“巨人の勢いが止まった”とオフの間に言い続けた。
強気な発言ではない。むしろ選手を含めたチームに対して、危機感をあおるような言葉だ。巨人軍は日本一が至上命令とはいえ、昨季はリーグ連覇を果たした。指揮官の真意とは、どんなものなのだろうか。
今季で監督通算11年目。百戦錬磨の将。言葉を効果的に使うことを重視するタイプの監督だ。例えば昨年のキャンプイン前日には、選手を前にしたミーティングで「日本一連覇。この気持ちを持たないものはジャイアンツのユニホームを着て戦う資格なし」とげきを飛ばした。あえてプレッシャーをかけて選手に緊張感を持たせた。
逆に今年は違った意味で選手、チームに奮起を促しているのだろう。“ゼロからのスタート”を強調し、野手のレギュラー、抑えなどの起用も白紙としてきた。指揮官にとって重要な方針の「実力至上主義」を貫くつもりだ。
大型補強の狙いもそこにあるのだろう。内野陣には井端、片岡という実績のある選手が新加入する。昨季の坂本については「野球そのもの、バッティングそのものに関しては一番悪いシーズンではなかったかなと思いますね」。不動のレギュラー遊撃手、坂本でさえ安泰ではないことを示唆している。
妥協は絶対にしないのが原監督だ。「チームは常に今日より明日、明日になったらあさって。強くなっていかないといけない。進化していかないといけない。多少の緊張感、ピリピリ感はチームに必要。そういうものがチーム力を上げると思う」。勢いは止まった、との危機感は当然、あるだろう。だがその発言に常勝軍団を作りたい、という指揮官の執念を感じた。
(デイリースポーツ・伊藤玄門)
