沙保里、母が30年の競技人生ねぎらう 「私の可愛い娘…人間です」

 「リオ五輪・レスリング女子フリースタイル53キロ級・決勝」(18日、カリオカアリーナ)

 女子の3階級が行われ、53キロ級決勝で吉田沙保里(33)=フリー=は昨年の世界選手権55キロ級優勝のヘレン・マルーリス(米国)に判定で敗れ、4連覇を逃した。個人戦では01年の山本聖子に敗れて以降、続いていた連勝記録が「206」でストップ。13連覇中の世界選手権と五輪と合わせた連続世界一の記録も「16」で止まり、「最後の最後に負けてしまって悔しい」と号泣した。進退については明言を避けたが、このままマットから退く可能性も出てきた。

 現地で観戦した吉田の母・幸代さん(61)は客席の最前列で乗り出しながら応援。負けた瞬間、口元に手をあててぼう然とした。試合後にスタンドに駆け寄った吉田と抱き合うと「よう頑張った。いいの、いいの」と慰めながら言葉を掛けた。

 これが最後と覚悟はしていた。「昨年の世界選手権あたりから体力的な衰えも来てるかなと親なりに感じた」と幸代さん。「主人も『よく頑張った』と言ってたと思います」と、30年間のレスリング人生をねぎらった。

 去就は本人次第としながらも「いつかは負ける。霊長類最強と言われても、私の可愛い娘ですので人間です。だから負けが来る時は絶対来る。よく頑張って素晴らしいことをしてくれたなと思います」と娘を誇った。

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