バレー28年ぶり銅!“東洋の魔女”復活

 「ロンドン五輪・バレーボール女子・3位決定戦、日本3‐0韓国」(11日、アールズコート)

 日本は3‐0のストレートで韓国を破り、1984年ロサンゼルス大会以来、28年ぶりの銅メダルを獲得した。日本はエース木村沙織(25)や迫田さおり(24)=ともに東レ=のスパイクを中心に攻め、第1セットを25‐22、第2セットを26‐24、第3セットを25‐21でものにした。韓国は、銅メダルを獲得した76年モントリオール大会以来のメダルを逃した。

 全員の思いを込めた迫田のスパイクが、相手のブロックをはじき、コートの外に落ちた。迫田は喜びを爆発させ、木村は、竹下は、荒木は、泣いていた。そして真鍋監督らスタッフ全員が歓喜の輪を作り、勢いのまま崩れ落ちた。84年ロサンゼルス五輪の銅メダルから28年‐。長い長い暗闇を抜け、ロンドンの地に日本女子バレーが復活への大きな一歩を刻んだ。

 この大一番で、指揮官の采配がズバリとハマッた。ここまでエース級の活躍を見せていた江畑に代え、迫田を先発で起用。「この3年半、迫田はスタメンでいくとダメだった。でも迫田に懸けました」。真鍋監督は、迫田が直前で五輪メンバー入りから外れた親友の石田瑞穂の思いを背負っていることを知っていた。準々決勝の中国戦から自身の14番のユニホームの下に、石田の13のユニホームを着て、プレーしていたことを‐。

 「同期で同じポジション。瑞穂は外れたけど、力を借りて、一緒に戦ってました。全然暑くなかった」と話した迫田は、チームトップの23得点。まさに全員バレーでつかみ取った勝利だった。

 昨年の大みそかに亡くなった日本バレーボール協会名誉会長、松平康隆氏(享年81)に捧げるメダルだ。男子監督として、ミュンヘン五輪金メダルに導いた名将で、Vリーグの創設にも力を注いだ。真鍋監督自身、全日本の後輩としてよく可愛がってもらった。「名誉会長ともメダルを獲ると約束していた。早く報告したいです」と、言葉を詰まらせた。

 “東洋の魔女”復活ののろしは上げた。3年半の任期を終えた真鍋監督は「これで終わったんで…。ゆっくりします」と、続投について明言は避けた。男女の監督は今後、公募を経て、次期監督が決まる。真鍋監督が立候補すれば、続投は既定路線だが、現状では流動的な状況だ。歓喜の銅メダルは、真の復活までの通過点に過ぎない。胸のメダルをさらに輝かせるために、“火の鳥ニッポン”は次のステージに足を踏み入れる。

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