球児一問一答 優勝パレードで泣いて!

会見後、阪神・四藤慶一郎球団社長(左)と握手する阪神・藤川球児=大阪市内のホテル(撮影・田中太一)
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 2012年以来の阪神復帰が決まった前四国ILp・高知の藤川球児投手(35)が24日午後、大阪市内のホテルで入団会見を行った。藤川との一問一答は次のとおり。

 -タイガース復帰が決まり『おかえりなさい』と言葉をかけられて。

 「おかえりなさいという表現は自分の中では…、でもありがとうございます」

 -現在の心境は?

 「まずはタイガースを離れて3年間、その間、自分の中でもいろいろありましたけど、いろんなことがありました。実質、ついさっき契約書にサインをしたということで、やっとタイガースのことを話していいという、自分の中の決まりというか、入り口をしっかり通過したので、ここからはタイガースのこと聞かれても、なんでも話ができると思っています」

 -再びタイガースのユニホームを着ることになった。

 「人として生きてきた中で、自分の人生で大きな輝きをもたらしてくれた球団、一番中心にあるのは阪神タイガース。これは間違いなかったんですけど、皆さんの前でお話するときは『一野球選手』としてお話しますので、タイガースを離れればタイガースのお話はできないと考えていた。こういう形でタイガースに復帰したということで、これからは全身全霊、グラウンドでいつ倒れてもいい覚悟でやれることになり、本当にうれしく思います」

 -決断の理由は?

 「まず、メジャーリーグへ行きまして、思いを持ってプレーしまして、大きな故障もしました。その時に『もう一回、立ち上がるんだ』という、野球選手として『立ち上がるんだ』という思いだけでやってきましたけども。それから高知に入団しまして、高知で全力でやってみて、自分がどう感じるか、野球に対する思いをどう感じるかというのを実践したんですけども、その中で自分に声をかけてくれる、球場に来てくれるファンの方々、そのほとんどがタイガースファンであり、また…」

 (ハンカチで目を押さえ、涙ぐんで言葉に詰まる)

 タイガースファンの思いが大きかった?

 「そうですね、やっぱり…。(再び、言葉が続かない)」

 -独立リーグで『野球と向き合った』と話していた。

 「野球と向き合うというのは子供の頃からやってきた。人生、始まって終わるまで変わらないと思いますので、野球に対する思いは全ての選手が同じだと思う。そういう意味では独立リーグだから、アメリカだから、違うチームだから、草野球だからという垣根はないんです。とにかく全力で野球をやって、好きでやってきた野球で、いい生活をさせてもらったというのはありますけど、野球は大好きでやっていますので」

 -家族の反応は?

 「家族は一番大変なんで。アメリカで暮らしてますし、その中でも僕は家族と寄り添って、妻がいなければ苦しいですし、子供たちの頑張りに…(また言葉に詰まる)」

 -家族も頑張ってきた?

 「僕だけじゃないんで、世の中のすべてのお父さんも頑張っていますのでね。そういう役割なんですね、野球選手は」

 -自身が投げることでそういうメッセージも伝えられる?

 「いえいえ、狙ってるんじゃなくて。自分が思っていることは、周りの人も(自分と同じような気持ちを)思って普段生活してるんじゃないか、と」

 -NPB復帰で期待と不安は?

 「自信もあります。だけど不安があるから練習するわけですから。それを拭うために練習する。練習した結果で、ゲームの中に一番自信を持った一球を投げる」

 -これまで外から見たタイガースの印象は?

 「正直、全く分からないんです。見てないんで、分からないですし、選手なので自分のことで精一杯。組織にいること、自分の役割を見つけることで精一杯なので、タイガースのことをタイガースファンとして見ていましたので、『頑張れ、頑張れ』と見ていましたけど、自分は何もできない。選手の情報も個人的には全く分からない」

 -金本新監督の印象は?

 「僕たちの若い頃から主力としてやって頂いたので、僕もこうやって練習することをしっかり覚えて、周りを大事にすることも覚えたわけですけども、金本さんが全てを変えて来られたので、金本監督の好きなようにして頂いて、最高に使いやすい信用できる選手になる。自分に大きな力があると思っていませんから、やれることをしっかりやって。監督、球団がやってほしいことにしっかり応えるだけですね」

 -最高に『使いやすい』ということだが。

 「選手が『自分の役割がこうだ』というのはおかしいと思う。『クローザーじゃなきゃダメだ』とか思ったことはありません。セットアッパーで活躍させてもらって、その後、久保田が故障したんで、その流れで後ろに回っただけなので、全ては導かれるものだと思う。自分の力を信じて努力して、後は監督、コーチ、球団が一人一人、選手に価値を付けていく。自分で価値があるとは全く思っていません」

 -金本監督と会食も?

 「そのときはまだ(藤川自身が契約してなくて)監督じゃなかったので。今日から金本監督と呼べるし、うれしいという気持ちと寂しいという気持ち。一緒にやってお世話になったんで。食事に行ってたくさんの話をしてもらった記憶も強いので、もう少しそういう時間を自分もしたかったなぁと思いますけど、きょうタイガースと契約させてもらったので、金本監督の下、手のひらの上で自由に暴れ回ってやらせてもらえるくらい大きな監督。信用して全力でやっていきたい」

 -矢野バッテリーコーチとも絆は深い。

 「矢野さんが占めるウエートは、新しいタイガースで相当大きなものになると金本監督もおっしゃられていた。自由に使って頂ける状態をしっかり整えて、シーズンに入るということくらいしかできません」

 -背番号は「18」に。

「背番号も含めて、こだわりはない。ただ、球団からいい番号を頂いたということですごく感謝していますけど、自分から背中は見えないので皆さんがどう判断してくれるか。結果が全て。結果を出したときに皆さんが判断してくれると信じてやりたい」

 -再び甲子園で投げる姿を想像しているか?

 「まだないですね。どういうふうに練習して、どういうふうに体を仕上げていって、いつも『0』から始めるので。シーズンが終わればいつも『0』。毎年そう。そういうふうにしてきたからタイガースという人気球団でもやってこれたと思います。人気球団に甘えて結果が出た。来年もこういう感じでやっていこうとしていたら、長く活躍することはできないと思います。しっかりスイッチのオンとオフを持って」

 -リーダー役としても期待される。

 「社長の方からも期待していると。監督からもそういうお話を頂きましたが、意識してそういうことをやったことがないです。やっぱり、意識してやると相手に伝わっちゃうんで、そういうことを考えず、自分が正解だと思うことしかできないので。その中で若い選手であり、ベテランの選手であり、同年代の選手であるとか、どう感じるかは僕には分からないです。できることをやる」

 -若手で気になる選手は?

 「いないです。知らないんで。向こうも僕のことを知らないと思う。それが勝負です。だけど、僕が活躍してほしいのは、ここで大きな声で言ってはいけないんでしょうけど、僕のことを信用して一緒に自主トレやったり、そういう人間の部分ですね、大事にしているのは。でも、いないです。ピッチャーはマウンドで1人しか立てないので」

 -ファンへのメッセージを。

 「(会見中に)涙を流したように見えたかもしれませんが、涙はこぼれていません(笑)。僕がタイガースに戻った一番(の理由)はパレードしたい。パレードして、僕たちが喜ぶんじゃなくて、関西の人たちに喜んでもらうのが一番。そのときは僕らじゃなくて、皆さんに泣いてほしいので頑張ります」

 -会見終了間際に再び。

 「涙はこぼれていませんよ(笑)」

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