U22代表にハリル監督も興味津々!?

視察後、手倉森監督(左)と話し込むハリルホジッチ監督(撮影・佐藤厚)
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 「練習試合、J2京都2-1U22日本代表候補」(26日、京都市内)

 16年リオデジャネイロ五輪を目指すサッカーのU-22(22歳以下)日本代表候補が合宿最終日にJ2京都と練習試合(45分×2)を行い、1-2で敗れた。0-2の後半43分、同代表初選出の高卒新人FW鎌田大地(19)=鳥栖=の左クロスにMF前田直輝(20)=松本=がダイレクトで合わせた。

 期待の新戦力がデビュー戦でいきなり結果を出した。2点を追う後半43分、左サイドでMF宮原のパスに抜け出した鎌田は左足で狙い澄まして中央へ折り返し、前田直のゴールをアシスト。「中を見たらファーに走っているのが見えた。GKを越えたら入るかなと思った」と事も無げに振り返った。

 後半16分にMF中島と入れ替わりでピッチに立つと、トップ下として独特の間合いや足元の高い技術で攻撃を活性化した。同20分に右足で強烈なシュートを放ったがGKの正面。同26分にはドリブルで2人をかわしてペナルティーエリア内に侵入、クロスを送るもGKに阻まれた。得点こそ奪えなかったが「前向きでボールをもらったら、自分の持ち味は通用する。その回数を増やしていければ」と自信を深めた。

 視察に訪れた日本代表ハリルホジッチ監督は名指しこそ避けたが「何人か面白い選手を見つけた」と振り返り、手倉森監督も「攻撃のセンスがある。体の使い方、ペナルティーボックス内での身のこなしにはスケールの大きさを感じる。足元だったりゴール感覚などは頼もしい」と賛辞を惜しまなかった。

 会場となった西京極は東山高1年の冬、全国高校選手権京都大会決勝で京都橘に2-3と敗れ、全国への切符をつかみ損ねた場所でもある。鎌田は決定機を逃した責任感から「サッカーをやめよう」とまで思い詰めた。そんな苦い思い出も残るピッチに代表選手として凱旋(がいせん)を飾った。スタンドには恩師でもある東山高の福重良一監督(44)も姿を見せ、「監督にそういう姿を見せられて、ちょっとした恩返しができた」と喜びを口にした。

 初めての代表合宿で多くの収穫を持ち帰った。体の固さや食生活など「私生活の部分から改善するところが見えた」。また、同部屋の中島が練習前から筋トレを行う姿を目の当たりにして「一人一人の意識がすごく高い。みんなサッカーのことを考えながら日常生活を送っている」と驚きを隠さなかった。チーム最年少の19歳はプロの先輩から受けた刺激をさらなる成長の糧とする。

 約30分間のデビュー戦で刻んだ1アシストという数字にも、「それ以上にシュートを決められる場面もあった」と反省が口を突いた。見据える先ははるかに高い。五輪、そしてA代表へ、「このメンバーに定着して、鳥栖でもしっかり中心選手となって得点に絡んでいけば近づいていける」。人見知りを自認する無口なルーキーは、雄弁なプレーで大器の予感を存分に漂わせた。

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