「トサカ兄ちゃん」和気が世界挑戦

片岡鶴太郎氏(右)からプレゼントされたタキシード姿の和気慎吾
3枚

 「ボクシング・IBF世界スーパーバンタム級王座決定戦」(7月20日、エディオンアリーナ大阪)

 古口ジムは6日、都内のジムで同級1位の和気慎吾(28)=古口=と同級2位のジョナタン・グスマン(26)=ドミニカ共和国=の王座決定戦を発表した。先日発表された井岡一翔(井岡)とのダブル世界戦となる。

 「リーゼントボクサー」で知られる和気にとっては昨年6月、同級王座挑戦者決定戦でマイク・タワッチャイ(タイ)を判定勝ちで下してから待ちに待った世界挑戦だ。

 この日もビシッとリーゼントを決めた和気は「挑戦者決定戦に勝って1年、まだできないのかという気持ちはあった。でも今はすごく楽しみ。ベルトを巻く夢を毎晩見ている。相手選手のビデオは何度も見ている。確かにパンチはあるけど、僕の方がスピードはある。圧倒的に勝ちますよ。こんなに速いパンチを打つ選手日本にいるんだということを見る人にアピールしたい。圧倒的に勝ちます」と、宣言した。

 会見に同席し、タイトル戦にはセコンドに付くという片岡鶴太郎氏は「今、僕はNHKの『とと姉ちゃん』に出ていますけど、これからは『トサカ兄ちゃん』を流行(はや)らせたい。先日、モハメド・アリさんが亡くなりましたが、和気君も『わけアリ』ですから」と笑わせた。

 片岡氏の言う『わけアリ』とは、和気の不良少年時代のこと。岡山県出身で、少年時代から手の付けられない「ワル」だった。ボクシングを始めたきっかけも「ケンカに強くなりたいから」だ。だが、非凡な才能があった。岡山商科大付属高時代、インターハイ出場し、今の恩師・古口哲会長にスカウトされた。06年にプロデビュー。13年には東洋太平洋王座を獲得した。

 そんな和気にも苦節があった。4回戦ボーイ時代、ボクシングをやめようとしたことも何度かあったが、それを踏みとどまらせたのは父・文利さんの言葉だった。「オレはおめえの試合を見るのが生きがいなんだ。やめねえでくれよ」-これが胸に響いた。子供の頃から悪さばかりで、親孝行などしたこともない。「これでボクシングをやめてしまったら、本当に取り返しのつかない親不孝者になる」と、奮い立たせた。

 和気をバックアップする片岡氏は「和気君には、(自分が世界戦にかかわった)鬼塚、畑山(隆則)と同じものを感じる。3人ともに顔もスタイルは違うけれど、共通するものを持っている印象がある。3人とも清潔感があり、ボクシングに純粋。華がありますね」と評した。

 対戦するグスマンは21戦全勝、21KOというつわもの。和気は「リーゼントが崩れる前、試合の中盤くらいには倒したいですね」と自信満々だった。

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