元王者・赤穂亮、再起戦飾るもがっかり

 「ボクシング・8回戦」(19日、後楽園ホール)

 元東洋太平洋スーパーフライ級王者で日本バンタム級3位の赤穂亮(横浜光)が、日本スーパーフライ級8位の白石豊土(協栄)を判定で下し、昨年8月、タイでの世界挑戦2回KO負けからの再起戦を飾った。

 1ラウンド目から飛ばした。ファーストアタックは左アッパーからの右ストレート。左右のフックを振り回し、白石にプレッシャーをかけまくった。しかし、偶然のバッティングで右目尻を赤く腫らし、鼻からは出血。この鼻血が止まらない。

 その後、大振りの目立ち始めた赤穂を、白石の右が捕らえ始め一進一退の攻防。しかし、積極性に勝る赤穂がじわじわとペースを握っていく。

 6ラウンドには猛ラッシュで追い込んだ。ニュートラルコーナーに追い詰めると左アッパーの連打から、左右のフックを浴びせ、ダウン寸前に追い込んだ。ダウンでしょ?と言わんばかりにレフェリーに目をやったが、ダウンにはならなかった。

 「決まる寸前まで行って倒せなかった。6回に尽きますね。頑張る選手を倒してこそ、ハードパンチャー。僕は倒せなかった」と下を向いた。

 赤穂は昨年12月に予定されていた白石との再起戦を減量失敗による体調不良のため棄権。今回は同じ相手と出直しの一戦で、巻き返しを誓っていた。だが、今回もアクシデントに見舞われた。

 「前回の反省から減量も早めにしていて、調子はよかった。ところが試合の2週間前に40度の熱が出たんです。2日間寝込んで、飲まず食わずでした。ようやく病院に行ったら、何で救急車で来ないんだって怒られた。へんとう腺が腫れて、ヘルペスまで併発していた」と明かした。

 試合前も試合も納得のいくものでなく、赤穂の顔は最後まで湿りっぱなし。「日本ランカーの相手にこういうボクシングをしていたら、とても世界なんて取れない。自分にがっかりだし、ファンもがっかりしたでしょう」と肩を落とす姿は、勝者とは思えなかった。

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