田中一樹がデビュー2戦連続KO勝利
「ボクシング・バンタム級6回戦」(5日、大阪府立体育会館第2競技場)
“エリートヤンキー”田中一樹(22)=グリーンツダ=が田部井要(宮田)を苦しみながらも4回2分46秒KOで仕留め、デビュー2戦連続KO勝利を飾った。
守口市出身で名門・興国高、龍谷大で主将を務めた。ボクシングエリートながら、コンビニでワル仲間とたむろしているところを本石昌也会長にスカウトされてプロ入りした。
この日も昨年のデビュー戦同様、地元から大応援団が駆け付け、リングインの際に大量の紙テープを投げ込む大騒ぎ。ノリノリの田中だったが、紙テープが当たりそうになった田部井は怒っていた。
試合開始前のあいさつでは田部井が“メンチ切り”。引く男でない“ヤンキー”田中も応戦し、1センチの距離でにらみ合った。これがリズムを狂わせた。
1回ゴングと同時にケンカファイトを仕掛ける相手の右フックをまともに耳に食らい「鼓膜が破けた」と言う。その後も左右フックの強打にラフファイトもあり「心は折れていた」と3回まで防戦一方に追い込まれた。
「苦しい時は俺の顔を見ろ」と会長に言われ、「ほんまかいな」と思いながら見ると、不思議と肩の力が抜けた。スタミナも底を尽きかけた4回、「どうせやるなら倒すか倒されるか」と開き直った。持ち前の左フックでぐらつかせるとイケイケ。最後は「何を打ったか覚えていない」と言う右フック一発でリングにぶっ倒した。
アマ通算63勝のエリートも前夜は緊張で足が震えっぱなし。「プロはやばい。パンチもやばいし、少々の反則も取ってくれない。生半可な気持ちでやったら障害が残る。中途半端でやれる世界でないということを痛いほど勉強した。もっともっと成長しないといけない」と反省を込めた。
「8月にもう一戦、12月に日本ランカー入りに挑みたい。今年は負けなしでいきたい」とリング上では、大応援団に宣言した。
