池上彰氏、生放送中に涙 歴史的対面に

 ジャーナリスト・池上彰氏が29日、テレビ東京系で生放送された「夕方の池上ワールド」に出演。27日のオバマ大統領の広島訪問の歴史的瞬間を現場で見届け、感極まって号泣する様子が紹介された。池上氏はこの日の番組で、「我慢してたんですが、堰を切ってしまって…」と取材時を振り返り、再び涙ぐんだ。

 池上氏と米国人タレントのパックンが、現地でオバマ大統領の広島訪問を取材。池上氏は、大統領の慰霊碑への献花、スピーチの様子などを現地でリポートした。続けて大統領が被ばく者の坪井直さんのもとに歩み寄る場面を見つめながら、「広島に来て、被ばく者の話を聞かないわけにはいかないと」などと解説していた。だが、森重昭さんを抱き寄せる光景を目の当たりにすると、こみ上げる思いを堪えきれなくなったように顔を拳で隠して涙を流した。

 NHK時代に広島で3年間勤務していたという池上氏はVTRの中で、顔をくしゃくしゃにしながら「昔、ここで被ばく者の人たちに話を聞いていたんです。いつか、アメリカの大統領がここへ来ることがあればいいよね、と夢物語で聞いていたんです」と述懐。「被ばく者の人たちの思いを思うとね…。この瞬間を見ることができただけでも」と声を詰まらせ「大勢の被ばく者の人たちが、この時を待ち望んでいた」と涙ながらに、歴史的瞬間に立ち会った感慨を語っていた。

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