七冠の井山【会見・後編】羽生先生は…

 囲碁の第54期十段戦5番勝負の第4局が20日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、挑戦者の井山裕太六冠(26)が伊田篤史十段(22)に163手で中押し勝ち。対戦成績を3勝1敗として十段位を奪取し、囲碁界で初となる七大タイトル独占を達成した。【以下、対局を終えた井山六冠の会見要旨・前編】

 -将棋では羽生四冠が25歳で達成。26歳での達成はどう思うか。

 「七冠を意識しだしたのは六冠に初めてなったとき。そこへ向けて自分では全力で碁盤に向かってきたつもりですけれども、その大変さを感じていたので、一時期、特に(14年に)六冠から四冠に後退したときは、もう七冠というのは無理かなという風に思いました。年齢的なことよりも、達成できるとは思っていなかった時期も正直あります」

 -第3局で敗れた後の1週間はどう過ごしていたか。

 「あまり普段と何か違うことをしたということはなくて、基本的には勝っても負けても次の対局には前のことをひきずらないようにというか、その都度切り替えてとは思っていますので、それは今回もうまくできたのかなと思っています」

 -囲碁棋士として、今後七冠を上回る究極的な目標があれば。

 「目標としては世界の舞台で…、究極で言うと世界で一番強くなりたいというのが一番ですけど、そのためにはまだまだ未熟だと感じる部分は非常に多いので、未熟だということはまだまだ強くなる余地があるということだと思っていますので、少しでも成長していけるようにというのが一番ですね」

 -対局を終えた瞬間の率直な感想は。

 「終わった直後は…、やはりまだ盤上のことが頭から離れなくて、何も考える余裕もなかったですけど、ここ数年、期待していただいていたことを1つ達成することができたので、ホッとしたというか肩の荷が下りたという部分は少しあります」

 -七冠達成まで、心の支えになったものは?

 「1つというのは難しいですけど、やはり周囲の方の支えというか、応援が力になったことはまず非常に大きな事ですし、自分自身、六冠になったときから、“七冠が支え”というのもおかしいですけど、そこへ挑戦できるというのは棋士として幸せなことだと思っていたので、それも自分の中では大きかったです」

 -なぜそんなに強いのか?

 「自分自身は、強いと思うことはあまりなくて…。本当に未熟だと感じることばかりなんですけど、1手1手に一喜一憂しすぎないというか、済んだことは仕方がないので、この局面でどうするべきかは常に考えてやっているつもりです。その都度うまく切り替えていくというのは自分の割と得意なところかなとは思います。技術的には、特別強いとは思いませんが、ここだけはそれなりに自信がある、という部分は持っているつもり。言葉で説明するのは難しいですが」

 -「プロフェッショナル」とはどういうものだと思うか。

 「基本的に成績がいいときとかうまくいってる時は人間それなりに頑張れるものだと思うんですが、この世界は負けることもしょっちゅう。そういう時にいかに頑張れるか、普段通りにできるかというのが大事かなとは思っています」

 -羽生さんは今も四冠を保持して、トップの存在。自身はどれくらいまで強くなっていきたいか。

 「羽生先生というのは、将棋界とか囲碁界とかいうのを超えた存在だと思っていますし、同じ勝負の世界に生きる者からしては神様のような存在。七冠を達成されて約20年たった今も、第一人者を守り続けておられるのは本当に驚異的。自分にそれができる自信はまったくないんですが、羽生先生はそうやって姿で示しておられますので、まだまだ全然及ばないんですけど、少しでも近づけるように。棋士として全盛期にどれだけ強いかも重要だと思っていますが、それ以上に長くトップでいるという部分を尊敬するところはありますので、少しでも近づけるように頑張りたいと思います」

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