行定監督 熊本から帰京、被災地伝える

 熊本市出身の映画監督・行定勲氏(47)が19日、東京・日本外国特派員協会で、アジア最大級の国際短編映画祭である「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2016」(6月2日~26日)の記者会見に出席した。この日に熊本から東京に戻ってきた行定監督は「みんな疲弊しているんですね。余震が怖くて家に帰れない状態なんです」など、自身が目にしてきた熊本県の現状を報告した。

 15日に仕事のため熊本入りしていた行定監督は16日未明の本震に遭遇した。現地で被災地を回って多くの人々に接し、「みんな疲弊しているんですね。余震が怖くて家に帰れない状態なんです。そういうところからどうやって復興の道をたどっていくか模索している」と状況を説明した。

 行定氏が監督を務め、昨年10月に熊本を舞台に撮影されたショートフィルム「うつくしいひと」に出演した熊本県出身の俳優・高良健吾は、現地で給水活動を手伝っている。高良についても監督は「県民は水が足りない状況なんです。トイレも流せない状況で。今日も熊本のどこかに水を運んでいると思います」と言及した。

 監督自身はSNSなどを通じ、自身の両親の無事を確認したことを報告しているが、精神的に受けたショックの大きさは計り知れない。「(報道などでは)非常に悲惨な部分をフィーチャーされているかもしれないが、県民は余震におびえている。家にいると怖いんですよ。僕も東京に帰ってきても、ビルがミシっといったりすると構えるんですよ」と心に刻み込まれた恐怖について語った。

 「うつくしいひと」には熊本城をはじめとする美しい熊本の風景が多く撮影されている。22日まで、同作品の公式サイトで本編が公開されており、熊本の人々から行定氏は「ショートフィルムを見たよ」「熊本城をとってもらってありがとう」と声をかけられた。この言葉に「胸が痛い」と沈痛な面持ちの監督は「どうにもならないことが浮き彫りになった時にどう助けていくか。熊本城は復旧まで20年かかると言われていますし、それをわれわれがどう支援していくか。もし知恵があったらたくさん貸していただきたい」と会見の来場者に呼びかけていた。

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