辻仁成 パリの街の哀しみを報告

 フランスの週刊紙「シャルリーエブド」への銃撃テロ事件で騒乱状態にあるパリで、作家でミュージシャンの辻仁成が、同居する10歳長男を守りながら、ツイッターで街の様子を伝えている。

 事件から一夜明けた8日、休校かと思われた長男の学校は休みにはならず、辻が「最強のボディーガードになりますね」と学校へ付き添った。

 道すがら眺めるパリの風景は「人々は足早で、どこか物静か」と、作家の目はわずかな変化を見逃さなかった。

 学校へ着くと大きな変化が。「十くん(長男のツイッター上での呼び名)の学校の門は半分閉じられた状態で、先生たちが並び見張ってました」。今週予定されていた遠足も中止になっていた。

 そして、昼の黙祷の時にノートルダム寺院の鐘が鳴らされることを伝え聞き「これは非常に珍しいこと。追悼の一日という印象のパリです」とレポート。辻は非常事態にある街の様子を伝えることを、この場に居合わせた自分の役割ととらえているようだ。

 その役割の一部なのだろう、フランス観光中の日本人のために、辻は日本大使館のホームページへのリンクも張った。

 自ら入手した情報も随時ツイッターで伝えながら、夕方には長男を迎えに。学校側からの「校門の前に立ち止まらないこと」という指示が、緊迫感をさらにかき立てた。

 夜に入って午後8時、辻は伝えた。「今、エッフェル塔の照明が消えました。パリは夜の20時です。犠牲者追悼のため」。辻と長男もまた犠牲者を思いやり、肩を寄せ合って夜を過ごしているようだ。

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