歌舞伎俳優・尾上菊之助(35)が29日、都内で「九月花形歌舞伎」（９月１～25日、東京・歌舞伎座）の製作発表会見に出席し、父親になる喜びと決意を語った。

　今年２月に結婚した妻の瓔子（ようこ）さん(30)が第１子を妊娠していることが明らかになってから初の公の場となった菊之助は「うれしいですね。家族が増えることで、責任感も増えます。よりいっそう歌舞伎に精進していきたい」と力強く語った。

　第１子は12月に誕生予定。先が長いせいか、父親になる実感はまだ沸かないようで「心境はあんまり変わらないんですが…」と苦笑いする一幕もあった。

　９月の公演は昼の部で「新薄雪物語」と「吉原雀」、夜の部では作家・夢枕獏氏(62)原作の新作「陰陽師」が上演される。「陰陽師」で安倍晴明を演じる市川染五郎(40)は「現代の息吹を吸って作り上げる、もともとあった（伝統的な）ものと、『これが歌舞伎か？』と言われるようなもの、どちらの形の歌舞伎も必要だと思う」と新作への意気込みを語った。