いとこの松本幸四郎「潔く見事な一生」
3日に肺炎のため亡くなった歌舞伎俳優・市川團十郎さん(享年66)の死を悼み、いとこで歌舞伎俳優の松本幸四郎(70)が4日、松竹を通じて、お悔やみのコメントを発表した。
幸四郎は同日、東京・日生劇場で開幕した「二月大歌舞伎」に長男・市川染五郎と出演。口上では團十郎さんの死には触れず、劇場の外では多数の報道陣が待っていたが、取材に対応することはなく、地下駐車場から車で帰路についた。同公演は昨年8月に舞台のセリから転落して大けがを負った染五郎の復帰舞台だった。
【以下、幸四郎のコメント全文】
「昨年の十月、新橋演舞場で二人で『勧進帳』の弁慶と富樫を交互に演じたのが最後でした。祖父(七代目幸四郎)の追遠が出来てよかったと従弟(いとこ)同士喜び合った事が忘れられません。成田屋の名跡、大病等、彼の人生は重圧と苦難の連続だったと思います。それらに真正面から立ち向かって闘いぬきました。立派でした。歌舞伎俳優市川團十郎としては、これから益々完成されていったであろうし、また、人間堀越夏雄としては、自分の人生を120%も130%も力を出し切って生きぬいたと思います。潔くそして見事な一生だったと思います」
