【舩越園子の目】松山、勝利つかむ

 「フェニックス・オープン・最終日」(7日、TPCスコッツデール=パー71)

 優勝争い真っ只中の17番。池に落としてボギーを叩いたリッキー・ファウラーを松山英樹が捉え、2人は首位に並んだ。その2人が18番にやってきたとき、大観衆から聞こえてきたのは「USA」の連呼。完全なるアウェー状態の中、松山はどんな気持ちでその連呼を聞いていたのか。「(大観衆の)99%は僕(の応援)じゃないと思ったけど、逆に勝ってやると思ってがんばった」。

 大観衆の大半はファウラーが日本人の祖父を持ち、4分の1は日本人であることを知らないのかもしれない。だからと言って、何がどうなるものじゃなし。ファウラーは「ホーム」で松山は「アウェー」。それだけが現実なのだ。

 グローバル化が進む米ツアーを戦っていくのなら、戦いの場がどこであろうとも、大観衆が誰を応援しようとも、そんなこととは無関係に戦い抜くしかない。松山は勝利から遠ざかった昨季も実りがなかったわけではなく、生き残るためのサバイバル術を身に付け、強くなっていった。

 惜敗したファウラーが松山に「またやろうな」と声をかけた。「手ごわいなと思われたい。やりたくないぐらいの存在になりたい」。アウェーの中でも勝利した松山は、すでにそういう存在だ。

(在米ゴルフジャーナリスト)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ゴルフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ゴルフ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス