佐々木笙子がプロテストに2位で合格
「2015年度LPGA最終プロテスト・最終日」(31日、こだまGC=パー72)
小学生時代から将来を期待されてきた関西出身の佐々木笙子(19)=フリー、クラーク記念国際高卒=が、最終ラウンドも5バーディー、2ボギーの69とスコアを伸ばし、通算6アンダーでトップから2打差の2位で登竜門を突破した。最終テストは今年度から4日間72ホール競技となり、18位タイまでの23人が合格。山口春歌(24)=フリー=が通算8アンダーでトップとなった。
佐々木は初めて臨んだプロテストで初日から71、72、70、69と大崩れすることなく堂々の2位合格と実力を発揮。通算7アンダーで迎えた最終18番ホールもトップ合格のスコアを通算8アンダーと想定し、砲台グリーンのピンを狙いにいった上での3パット・ボギーと勝負マインドを披露した。
それでも本人は「昨夜(30日)は全然眠れませんでした。今日は全然自信がなく、不安な要素しかなかった。無事に上がってきたいと思っていたが、(ラウンド中に)ちょっとずつ調子が上がってきた」と苦しかった胸のうちを明かした。
佐々木は最終テストを前にした7月3日にゴルフメーカーのマルマンと用具契約を締結。その後に臨んだ最終テストに合格し、「今まで応援してくれた方々に少しだけ恩返しができました」とホッとした表情を見せた。
ドライバーの平均飛距離265ヤードの“かっ飛ばし娘”は、マルマンの男性用高級旗艦ブランド「マジェスティ ロイヤルブラック」のドライバー、フェアウエーウッド、ユーティリティーを使用。ドライバーのロフト角度は8・5度で純正シャフトの硬度はS(スティッフ=硬いの意味)と、まさに男性上級者用のスペックで過酷なプロテストを戦い抜いた。
アイアンとパター、ボールもすべて同社ブランド。20年以上前にはイアン・ウーズナム、ローラー・デービーズといった当時のメジャー王者、国内では複数の男子プロや大物新人の福嶋晃子との契約で世界に「マルマン」の名を知らしめたメーカーだが、その後は久しく著名プロを前面に押し出す方針をとってこなかった。
佐々木に関しては、マルマンがジュニア育成戦略に本腰を入れ始めた約5年前からサポート態勢を敷き、その間に日本ジュニア12~14歳の部優勝をはじめ、アマチュア大会での好成績を挙げてきた。この日もコースで佐々木の合格シーンを見守ったマルマン関係者は「佐々木選手の魅力はなんといっても飛距離。男性用クラブを使って、マルマンのブランドを大いに広めてくれるでしょう」と今後の活躍を信じるとともに、さらなる支援への意欲に燃えていた。