王者・内村も絶賛する加藤の精神力

 「体操 NHK杯兼リオデジャネイロ五輪代表選考会・男子個人総合」(5日、代々木第一体育館)

 優勝し大会8連覇を果たした内村航平(27)=コナミスポーツ=が、今大会2位に入り自分に続くリオ五輪代表入りを決めた加藤凌平(22)=コナミスポーツ=の“鉄の心臓”ぶりを絶賛した。内村が目標とする団体での金メダル獲得へ「凌平の存在はすごく大きい」とチームメートとして信頼した。

 大会後の記者会見で加藤の強みを聞かれた内村は「ここ4年間ぐらいずっと世界の舞台で(加藤と)戦っていますけど、気持ちの部分でぶれがない、そこが強みだと思う」と答えた。今大会でも内村の言葉通りの精神力を、加藤は発揮した。

 4月に行われた全日本選手権の成績を持ち越すため、加藤は3位でスタートした。2位だった白井健三(日体大)はあん馬で落下するなど伸び悩み、代表争いは普段はチームメートである田中佑典(コナミスポーツ)との競り合いになっていった。

 床、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の順番で演技は進んだが、田中は平行棒と鉄棒を得意としている。5種目を終えた時点で、2位の加藤は164・500点。3位の田中との差はわずか0・400点。そして、加藤の前に田中は15・9000の高得点をマークし重圧をかけてきた。

 ここで加藤は「そこまで来たら縮こまってミスのない演技にこだわっても点数が伸びないと思ったので、開き直って、これで成功しても失敗しても自分の実力だとかみしめて伸び伸びと着地までフィニッシュしました」と割り切った。「カッシーナ」、「コールマン」といった大技を決めて着地も成功。0・100点差で田中をかわし2位に入った。

 後輩の演技を見届けた内村は「団体戦の独特な雰囲気でしっかりやらないといけない時に、凌平の存在はすごく大きい。凌平がやってくれれば失敗しないと僕は見ている」「もっともっと安定感のある演技が必要になってくるので、2人で切磋琢磨(せっさたくま)していけたらと思います」とリオ五輪団体のチームメートとして、全幅の信頼を置いた。

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