重量挙げ八木かなえV!初の三宅超え

 女子53キロ級 トータル191キロで2度目の優勝を果たした八木かなえ=いわき市立総合体育館
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 重量挙げの世界選手権(11月、アメリカ)代表選考会を兼ねた全日本選手権が12日、福島県いわき市で開幕し、女子53キロ級ではロンドン五輪代表の八木かなえ(22)=ALSOK=が、スナッチ81キロ、ジャーク110キロのトータル191キロで3年ぶり2回目の優勝を果たした。ロンドン五輪48キロ級銀メダルの三宅宏美(いちご)はトータル190キロで2位だった。

 ついに憧れの人を破った。上げれば優勝が決まるジャークの3本目。八木は「集中して力が出せた」とバーを上げると、成功の合図を聞いて白い歯がこぼれた。第一人者の三宅を1キロ上回り、「高校生の頃からずっと追いかけてきた憧れの先輩」に初勝利。喜びをかみしめながら、表彰台のてっぺんに上った。

 状態は万全ではなかった。練習では好調だったが、5月に腰痛を発症。試合も昨年12月以来の出場となり、不安材料が重なった。

 この日もスナッチの1本目で失敗し、横山コーチも「ボロボロでどうなるかと思った」と明かしたが、「けが人同士やったら根性ある方が勝つわい」とゲキ。ジャークで持ち味を爆発させたまな弟子に、「結果オーライやな」と目を細めた。

 今年の春からはALSOKに入社して初めての大会。「競技に集中できる分、プレッシャーがあった」と話すが、「今まではコーチに怒られてしょぼんとしてたけど、会社の人が励ましてくれて切り替えられた」と思わぬ“社会人効果”も後押しした。

 念願の三宅超えを果たしたが、「今回はたまたま勝ったけど2人とも調子はよくなかったし、ベストは三宅さんの方が上」。憧れの先輩と競い合いながら、11月の世界選手権、さらには来年のリオデジャネイロ五輪に照準を合わせ、名実ともに日本のエースに成長する。

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