前相撲でカナダ出身誉錦が白星デビュー
大相撲夏場所(東京・両国国技館)3日目の12日から前相撲が始まり、30年ぶりのカナダ出身力士となる誉錦(ほまれにしき=本名ブロディク・ヘンダーソン、錦戸部屋)がデビュー。門倉(九重部屋)を突き落としで破り白星を手にした。
197センチ、150キロの巨体。まだ動きはぎこちないものの、立ち合いから圧倒的なパワーで相手をなぎ倒した。初めて国技館の土俵に上がり、「とてもナーバス(緊張した)。部屋の稽古場と違って、土俵が高かった。でも。光栄です」と端正なマスクを崩して笑顔を見せた。
アメリカンフットボール、アイスホッケー、ラクロス、柔道など数々のスポーツ歴があるが、日本の文化を学びたいと来日。元大関小錦で現タレントのKONISHIKIさんの紹介もあり錦戸部屋への入門が決まった。しこ名もKONISHIKIさんの現役時代の「小錦八十吉」にちなんで、「誉錦八十吉(ほまれにしき・やそきち)」と名付けられた。
カナダ出身の力士といえば1985(昭和60)年11月に佐渡ケ嶽部屋に入門して初土俵を踏み、序ノ口、序二段、三段目ですべて7戦全勝で優勝しながら、翌86年7月に無敗のまま廃業した琴天山(本名ジョン・テンタ、のちプロレスラー)がよく知られている。
2月に来日して、3月の春場所で新弟子検査に合格。ビザの関係で5月場所での前相撲デビューとなったが、すっかり日本の生活にもなじんだ様子。「好きな食べ物?ちゃんこ鍋。それからとん平焼きもおいしい。納豆もOKです」とニッコリ。近日中には父リーさん(54)が来日する予定で勇姿を見せられそう。「日本の文化をカナダに広めたい。マイペースでこれから序ノ口、序二段で頑張ります」と目標を語った。
