「全国高校野球・１回戦、早実６－０今治西」（８日、甲子園）

　注目のスラッガー・清宮幸太郎内野手（１年）を擁する早実が初戦を突破したが、勝利に大きく貢献したのは清宮以外の選手だった。中でも初回の守備で長打性の当たりを好捕した玉川遼外野手（３年）と、先制２点適時三塁打と遊撃の守備で光った金子銀佑内野手（２年）のプレーが光った。

　初回、今治西の先頭打者・杉内が放った打球は玉川の頭上を抜けようかという大きな当たりだった。懸命に追いかけた玉川は体を伸ばし、最後はジャンプをしてキャッチ。抜けていれば、いきなり得点圏に走者を置く展開だっただけにチームを勢いづけるプレーだった。

　和泉監督も「あれが大きかったと思います。あれが後ろに抜けていたら展開が逆になることも大いにありえたので。あれでチームが落ち着いた」と取材の“いの一番”でキーポイントに挙げて玉川をたたえた。

　金子は、まずは打撃で実力を発揮した。１死一、二塁、２ボール２ストライクから内角の直球をファウルで逃げ、その後、高めに入った外角への変化球を見逃さなかった。右方向へ流し打ち、右中間を破る走者一掃の三塁打に。試合の主導権を握る先制点となった。

　守備でも軽快な動きを見せる。七回、先頭の杉野による二遊間を抜けようかという当たりに追いつき、すぐさま一塁へ送球。きっちりと遊ゴロにしとめた。この回を三者凡退で切り抜け、七回に清宮と富田の適時打につながった。

　もちろん、先発の松本皓（３年）の８回無失点の好投も見逃せない。丁寧に直球と変化球を織り交ぜて、今治西打線を封じた。

　清宮に注目が集まるのは和泉監督も折り込み済み。その中で、生き生きとプレーするナイン全員が“主役”として、勝利に貢献した。