夢かなった投手イチロー!最速143キロ

 フィリーズ戦の8回から大リーグ初登板し、1回を2安打1失点で終えたイチロー(共同) 
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 「フィリーズ7-2マーリンズ」(4日、フィラデルフィア)

 マーリンズのイチロー外野手(41)が今季最終戦となったフィリーズ戦で投手デビューを果たした。2-6の八回から4番手で登板し、1回2安打1失点。打者5人に18球を投げ、ストライクは11球。最速は89マイル(約143キロ)だった。打者としては2打席2三振。今季の打率は自己最低の・229に終わったが、メジャー16年目の来季に向けて手応えを口にした。

 敵地がざわついた。三回から右翼を守っていたイチローがマウンドに向かったのは八回だ。22日で42歳になるメジャー最年長野手の、衝撃の投手デビューだった。

 左足を高く上げる投球フォーム。ヘレラへの注目の初球は140キロ直球だった。2球目の140キロを右翼線へ運ばれ、これが二塁打。1死三塁からスウィーニーに右越え二塁打を浴びて1点を失った。しかし4人目の打者・ガルビスの初球には、この日最速の143キロをマーク。スライダーとチェンジアップを駆使し、ガルビス、アンテールを打ち取った。

 投手起用の可能性をジェニングズ監督から伝えられたのは約1カ月半前だ。オリックス時代の1996年、オールスター第2戦の九回2死から登板したことはあったが、シーズンでは初めて。「一回(マウンドに)立ってみたいというのはもちろんあった」。この日は今季最終戦。イチローは登板を志願したことを明かしながら、「二度とピッチャーの悪口は言わないと誓いました」。投球内容には不満だったようで「自分の中にすごい悔しさが残っていたことがちょっとよかった」とも言った。

 “第4外野手”として契約した新天地での1年。チーム最多の153試合に出場した結果に「どこにいてもチャンスはあるということ」とイチロー。自己最低の打率・229には「自分の目を疑うもの」とする一方で、「あれをやっておけば、ということは一つもない。できたことはたくさんある」と言い切り、来季への自信をのぞかせた。

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