劇団鹿殺し15年目で「関西がホーム」

「今すごく関西のお客さんが熱くて、愛をすごく感じさせてもらっています。故郷がやっとできた!って感じがする」。そう語るのは、「劇団鹿殺し」の座長・菜月チョビ。7月に東京・大阪で活動15周年記念公演『名なしの侍』を上演する彼女に話を聞いた。

菜月が関西学院大学在学中の2000年に劇作家・丸尾丸一郎と共に旗揚げした同劇団。今では前売チケットの初速は東京より勢いがよく、ライブハウスでのパフォーマンスにまで多くの観客を集めるほど関西にファンが根付いた彼ら。「関西で旗揚げして、ブレイクもしないまま東京に行って・・・。関西を代表して行ったわけじゃないって後ろめたさがあったので、関西を『ホーム』ってすごく言いたかった」と当時を振り返る。

元々、つかこうへい作品にシンパシーを感じ、「つかさんの本から、地団駄踏んで『もっと愛してくれよ!』という思いが伝わってきて。欲しがりすぎて生きづらい感じが、私も全く一緒だ」と驚いたという菜月。以来、不器用にしか生きられない者たちのほとばしるエネルギーを全身で表現してきた。

泥くさくも愛おしい物語を、管楽器や歌を取り入れたエンタテインメント性の高い演出で魅せるのが、彼らの魅力。Coccoや石崎ひゅーいを役者として迎えた音楽劇も成功させてきた彼らが、今回はシンガーソングライター・堂島孝平と共に15周年記念公演を上演する。

「昨年初めて生バンドを取り入れて、ひとつの形を作り上げることができたので、今回はさらに拡大したものを作りたいと。堂島さんは、ライブを観ると人間味があって生々しい。客観性をもって場の空気をコントロールしているところが役者みたいだなと思った」とオファーの理由を話す。

今回の大阪会場は、東京で行う「サンシャイン劇場」の約800席に対して、約400席の「ナレッジシアター」。「大阪はめっちゃはみ出るので、暴れまわる状態になると思います(笑)」と期待させる発言も。もがいて、何かを打ち壊そうとする彼らのエネルギーが、ホームの関西で爆発するに違いない。大阪公演は7月28日~31日でチケットは6300円、各プレイガイドで発売中。

取材・文/黒石悦子

(Lmaga.jp)

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