藤原菜希、空手世界ナンバー1の度胸

 【第29回】藤原菜希(26)=東京・107期=

 他競技で日本一になった選手は何人かいるが、世界一になった選手はごく少数。そんな一人が今回紹介する藤原。08年の第19回世界空手道選手権大会の53キロ級で、世界の頂点に君臨した。「ケリはもちろん、顔面への攻撃もOKでした。小学校からやってきた成果が実を結びましたね」と笑顔があふれる。

 顔立ちは整っており、笑えば目尻が下がる愛らしい藤原。殴られた痕跡が見当たらないのは、それだけ強かったと認識できる。ただ「練習は嫌いでしたね…。2、3時間だけだったけど、いつも早く終わらないかなと思ってました。練習なら今の方が楽しいです」。ボートレースの方が性に合っているようだ。

 空手を経験したことはボートレースでも生かされており、持ち味は度胸満点のS攻勢。新ペラ制度になってからは、平均Sコンマ16という素晴らしい数字を残している。「まだ技量的に未熟なので、Sで勝つしかないですから。怖い時もあるけど、思い切って仕掛けてます」と気合は十分。飼っている雌犬に「諭吉」と付けるほど、勝利に飢えている藤原に今後注目したい。

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