樋口由加里 独創的ヘルメットは遠藤エミがデザイン

 遠藤エミが手がけたヘルメットに信頼を寄せる樋口由加里
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 【第168回】樋口由加里(35)=岡山・102期=

 女子のトップレーサーとして、ボート界の人気を支えてきた樋口。結婚、出産を経て、産休明けの昨年3月から“ママさんレーサー”の仲間入り。全国の水面で奮闘している。

 レースで使用するヘルメットは、デビュー以来5代目となる相棒。公私ともに仲がいい、同期の遠藤エミが制作した逸品だ。

 昨年、女子史上初のSG覇者に輝いた遠藤は、デザインのセンスも“SGクラス”。全幅の信頼を置く独創的な感性は「パッとみた感じは明るいイメージというか、かわいいと思いました」とポップなイラストや文字が彩られるなど、色彩豊かな作品を作り出した。

 デザインはもちろん、遠藤が制作に携わったことで得られる大きなモノがある。「何かエミが書いてくれたことにすごく意味がある。あの人にはいろんなことにお世話になっている」と僚友には感謝の意を抱く。

 「成績とか悪くて落ち込みかけていても、あの人は浮き沈みがないので、私が勝手にへこんでいてはいけないな、と思う。見習っているとこはあると思いますね」とヘルメット越しに伝わるレーシングスピリットは、樋口の発奮材料となっているようだ。

 5月から、6代目のヘルメットが登場する予定で、制作は引き続き遠藤が手がける。「今回も早めに頼みましたけど、めっちゃ嫌な顔はされました」と苦笑い。ただ、それもお互いの信頼関係があってからこそ成り立つリアクション。「結局、優しいからやってくれるんですけど、本人はやらざるを得ないから、そんな顔をするんでしょうね。完成が楽しみです」と新たな相棒を心待ちにしている。

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